
2024.04.10
虫歯
虫歯は放置すると悪化し続けるため、最終的には抜歯せざるを得ない状況になる場合があります。
また、虫歯が悪化すると痛みや腫れが強くなり、日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。
そこで今回は、虫歯の抜歯が求められるケースや、抜歯のメリット・デメリットを詳しく解説します。
Contents
虫歯の抜歯をしないといけない状況には、以下の4つが挙げられます。
歯を抜くという決断は簡単ではないですが、適切なタイミングで抜歯を行うことで他の歯や健康への悪影響を防げるでしょう。
虫歯が歯の表面だけでなく、歯根まで深く進行している場合、治療だけで回復するのは難しくなります。
放置すると膿がたまったり、歯茎が腫れたりするため、歯を抜いて炎症を取り除く必要があるでしょう。
歯の神経を取り除く根管治療をしても、虫歯の再発が繰り返してしまうことがあります。
このような場合では、抜歯を行って患部を取り除いた方が他の歯への悪影響を防ぎやすいです。
歯根が割れている場合は、その部分から細菌が入り込み強い痛みや腫れを引き起こします。
この状態では治療が難しく、抜歯をして炎症や感染を防ぐ処置が必要になります。
虫歯によって歯茎や骨が炎症を起こしている場合は、細菌の温床になっている歯を取り除く必要があります。
抜歯を行うことで炎症が治まり、口腔内の健康を取り戻しやすくなるでしょう。
次に紹介するのは、虫歯を抜歯する4つのメリットです。
治療だけでは回復が難しい場合でも、抜歯をすることによって口腔内の健康を取り戻せるでしょう。
虫歯が神経や歯根にまで進行すると、強い痛みや腫れを引き起こすことがあります。
しかし、原因の虫歯を抜くことで炎症や感染の原因を取り除けるため、痛みや腫れが自然と和らいでいくでしょう。
痛みが解消されれば、日常生活を快適に過ごせるようになります。
虫歯の歯を抜歯することで、他の歯への悪影響を防止できるのも、メリットの1つです。
虫歯が進行すると、細菌が他の歯や歯茎にまで広がってしまう危険性があります。
しかし、原因の虫歯を抜くことで口腔内の細菌が減少し、他の健康な歯を守れる可能性が高くなるでしょう。
虫歯が悪化すると、痛みや噛み合わせのずれによって食事が難しくなる場合があります。
しかし、抜歯を行った後に義歯やインプラントを使用すれば、咀嚼機能が回復し、食事を楽しめるようになるでしょう。
適切な治療を受けることで、健康的な食生活を取り戻せます。
細菌感染のリスクを減らせることも、抜歯をするメリットです。
虫歯が進行した状態を放置していると、細菌が血管を通じて体内に広がる危険性があります。
抜歯を行うことで、感染の原因となる細菌を取り除き、全身の健康を守れる可能性が高まるでしょう。
虫歯を抜歯する際のデメリットも4つ紹介します。
虫歯が進行してしまった場合、抜歯が最善の治療法となるケースがあります。
しかし、抜歯処置には当然デメリットもあるため、治療を受ける前にしっかり理解しておくことが大切でしょう。
抜歯したままにしてしまうと、周辺の歯に悪影響を及ぼす可能性があります。
抜歯を行った部分には隙間が生じるため、周囲の歯がその隙間に倒れ込み、噛み合わせがずれてしまったり、歯並びが乱れてしまったりすることもあります。
そのため、必要に応じて義歯やインプラントを使用して隙間を補うことを検討しましょう。
歯を抜いたあとは、顎の骨が徐々に痩せてしまうことがあります。
これは「骨吸収」と呼ばれる現象で、特に奥歯を抜いた場合に起こりやすくなります。
骨吸収が進行すると歯茎が下がってしまい、義歯やインプラントが安定しにくくなることがあります。
抜歯後に適切な処置を行い、骨吸収を防ぐことが重要です。
歯を抜いたままにしておくと、噛み合わせのバランスが崩れてしまい、咀嚼機能が低下することがあります。
特に奥歯を失った場合には、硬いものが噛みにくくなり、食事の内容が制限されやすいです。
抜歯後には入れ歯やインプラントの使用を検討してください。
前歯を抜歯した場合などは、見た目が悪くなりやすいのがデメリットと言えます。
歯が抜けた部分が目立ってしまうと、笑顔に自信をもてなくなるかもしれません。
また、歯茎が痩せてしまうことで、口元の印象が変わる可能性もあるでしょう。
審美的な問題を解消するためには、ブリッジやインプラントを使用して見た目を整えることをおすすめします。
虫歯を抜歯する際の流れは、以下のとおりです。
治療を受ける前に一連の流れを理解しておくと、スムーズに治療を進められます。
まず、歯科医が虫歯の進行状況や歯の根の状態を詳しく確認します。
レントゲンの撮影や虫歯がどの程度進行しているかを把握し、状況に応じて抜歯以外の治療法が可能かどうかも検討される場合もあります。
不安なことがあれば、遠慮せずに歯科医に質問しましょう。
歯の状態を確認したうえで抜歯が必要と判断された場合は、局所麻酔を行ってから抜歯を開始します。
麻酔が効いてから専用の器具を使用し、歯を慎重に取り除いていきます。
抜歯にかかる時間は歯の状態によって異なりますが、10〜30分程度で終わることが多いです。
抜歯後は、傷口を保護するために縫合が行われることがあります。
また、抜歯後の歯の欠損を補うために、義歯やインプラント、ブリッジなどの治療法が提案される場合もあります。
抜歯後の状態を良好に保つためにも、歯科医の指示に従って治療を進めてください。
虫歯を抜歯したあとの注意点について解説します。
抜歯後の回復をスムーズにするためには、適切なアフターケアが重要です。
不適切な対応をすると出血や感染を引き起こす可能性があるため、注意しましょう。
抜歯後に強くうがいをすると、傷口の血餅(かさぶた)が剥がれてしまう可能性があるため、注意が必要です。
血餅が取れてしまうと「ドライソケット」と呼ばれる痛みを伴う状態になります。
口をゆすぐ場合には、ぬるま湯を軽く口に含んで、優しく吐き出す程度にとどめてください。
抜歯から2〜3日は、歯ブラシを患部に当てないように注意しましょう。
患部に歯ブラシを当ててしまうと、傷口が開いてしまい出血や痛みが悪化する恐れがあります。
歯を抜いてから2〜3日は、抜歯部分を避けてやさしく歯を磨いてください。
抜歯後の腫れや痛みが続いている場合には、激しい運動は控えるようにしましょう。
血行が促進されることで症状が悪化する可能性があります。
そのため、抜歯後1〜2日間は安静に過ごすことをおすすめします。
痛みや腫れが長引く場合は、早めに歯科医に相談しましょう。
抜歯直後は飲食を控えましょう。
処置の直後は麻酔が効いているため、痛みに鈍感になり食材で傷を刺激してしまいがちです。
また、抜歯直後に飲食をすると傷口に食べかすや細菌が入り込み、感染を引き起こす可能性があるため注意しましょう。
抜歯当日は湯船につからないようにすることも大切です。
入浴すると血行がよくなり、出血や腫れが悪化する危険性があります。
抜歯当日はシャワー程度にとどめ、湯船につかるのは控えましょう。
抜歯後数日間の飲酒や喫煙も控えましょう。
飲酒や喫煙は血行を促進するだけでなく、傷口の治癒を妨げる可能性があります。
また、喫煙は血管を収縮させて血流を悪化させ、回復を遅れる恐れがあるため注意が必要です。
最後に、虫歯の抜歯にかかる費用について紹介します。
自己負担額の目安を処置別にまとめたため、以下の表をご覧ください。
処置の種類 | 自己負担額の目安 |
通常の抜歯 | 千円~3千円程度 |
治療が複雑な抜歯 | 5千円~1万円程度 |
手術を伴う難しい抜歯 | 1万円~2万円程度 |
抜歯後のブリッジやインプラント | 30万円~50万円程度 |
虫歯の抜歯にかかる費用は、抜歯の難易度や歯科医院の方針によって異なります。
詳しい費用に関しては、治療を受ける前に歯科医院に確認するとよいでしょう。
虫歯の抜歯に関しては、治療の内容や費用、痛みなどについて不安を感じる方が多いでしょう。
ここでは、患者からよく寄せられる質問について詳しく解説します。
虫歯の抜歯は、健康保険の適用対象となる場合が多いです。
通常の抜歯はもちろん、歯茎に埋まった歯や親知らずの抜歯も保険が適用されます。
ただし、インプラントやブリッジなどの補修治療は保険適用外になることがあるため、事前に歯科医院で確認してください。
抜歯が即日可能かどうかは、虫歯の進行状況や歯の状態、歯科医院の対応方針によって異なります。
単純な抜歯であれば、即日処置が可能な場合もありますが、親知らずの抜歯や炎症が強いと、事前に治療や薬の投与が必要になることもあります。
当院では、患部周辺を確認し総合的に当日抜歯に問題が無いと判断できた場合は、即日処置に対応しております。
即日での抜歯を希望する場合は、歯科医院に相談してください。
痛みのピークは、抜歯後1〜2日目に訪れることが多いです。
この期間は、鎮痛剤を服用しながら安静に過ごすことで痛みを和らげられます。
また、抜歯後は1週間ほど軽い痛みが続くことがあります。
もし1週間以上痛みや腫れが続く場合は、炎症や感染が起きている可能性があるため、早めに歯科医に相談しましょう。
虫歯かもしれないと思いつつ、なかなか歯医者に行けていない方も多いのではないでしょうか。
自覚症状が表れる前に早期発見するのがベストではありますが、歯科を受診する方の多くは痛みが表れていることがほとんどです。
そのため、虫歯に痛みがあっても手遅れということはまったくありません。
痛みが出て間もない時期であれば、それほど進行しておらず、すぐに治療を済ませられるケースがほとんどです。
一方、痛みを放置しておくとどんどん進行してしまい、最悪の場合は抜歯することになってしまいます。
虫歯の治療は、とにかく早い段階で歯科を受診することが大切です。
まずはお気軽にお問い合わせください。