2023.04.19
虫歯
歯医者では、虫歯治療や矯正治療の際に、型取りをすることがあります。
型取りの目的は、歯や口腔内の形状を記録し、適切に治療を進めることです。
しかし、息苦しさや気持ち悪さを感じる方もおり、型取りが苦手という方は少なくありません。
この記事では、歯医者で型取りを行う理由、型取りの際に苦しくならないための方法などを解説していきます。
Contents
歯医者での型取りは、歯や口腔内の形を記録する作業です。
差し歯や矯正器具を作る際に、口の形状を正確に再現するために行われます。
型取りをすることによって、歯や口の形にフィットする治療器具を作成することが可能です。
そもそも、型取りはどうして行われるのでしょうか。
歯医者で型取りを行うのは、補綴物や矯正器具が患者さんの口にしっかり合うようにするためです。
とくに、精密さが必要な差し歯、クラウン、矯正治療、入れ歯などにおいては重要な工程です。
型取りは、快適で正確な治療結果を得るために欠かせないステップといえます。
型取りは、虫歯治療後の詰め物や被せ物作製、歯列矯正での装置の設計、インプラントの治療計画など、多くの場面で必要とされます。
それぞれのタイミングに応じた型取り方法が選ばれることが一般的です。
ひとつずつ確認してみましょう。
虫歯の治療は、一般的に下記のような流れで進められます。
型取りが必要になるのは、治療後に被せ物を作成するタイミングです。
治療が終わっても、そのまま被せ物を被せることはできません。
まずは、被せ物を固定する土台を作り、土台の完成後に型取りをして被せ物を作成します。
小さな虫歯であれば、型取りをせずにプラスチックの詰め物で対応することもありますが、被せ物をつける場合には型取りが必須です。
マウスピースを用いた歯列矯正では、マウスピースの設計時に型取りを行います。
一方、銀色のワイヤーをつけて行うワイヤー型矯正には、型取りは必要ありません。
また、インビザラインのようなマウスピース型矯正では、口腔内全体の精密なデータが必要となりますが、デジタル型取りに対応した歯科医院も多く、患者さんの負担軽減が進んでいます。
インプラント治療は、歯の根っことなるインプラント体(人工歯根)をあごに埋め込んだあと、上から被せ物を装着します。
型取りが必要になるのは、人工歯根が骨と一体化したあと、歯となる被せ物を作るときです。
あごの骨の形や噛み合わせを正確に再現する必要があり、丁寧に型取りをすることが重要です。
型取りは印象材を使う従来の方法と、デジタル技術を活用した口腔内スキャナーの2種類があります。
それぞれの方法には特性があり、治療内容や患者の状況に応じて選ばれます。
それぞれ詳しくみていきましょう。
印象材を使った型取りは、歯型を物理的に再現する方法です。
柔らかい材料を歯に押し当てて固め、精密な型を作ります。
使われる材料にはいくつかの種類があり、それぞれ特有の特徴と用途があります。
アルジネート印象材は水と粉を混ぜて使用する素材で、硬化が速く簡便です。
比較的コストが低いため、初診時の診断用模型などに適しています。
ただし、変形しやすいという欠点があり、長期間の保存には向きません。
寒天印象材は加熱して柔らかくし、冷却することで固まる特性を持つ素材です。
義歯の作製や精密な型取りに使われますが、取り扱いが難しく、温度管理なども必要となるため、専門的な技術が必要です。
シリコン印象材は高い精度と柔軟性が特徴で、歯列矯正やインプラント治療に広く利用されています。
変形が少なく、耐久性が高い一方で、費用が高い場合がある点に注意が必要です。
口腔内スキャナーはデジタル技術を活用し、カメラで歯の形状をスキャンして3Dデータを作成します。
印象材を使わないため、快適で患者の負担が少なく、即時にデータを共有できる利点があります。
型取りの料金は、使用する材料や目的によって異なります。
保険適用の場合、アルジネート印象材などを使った型取りは1,000円前後です。
一方、シリコン印象材や口腔内スキャナーを使う場合は、精密性が求められるため自費診療となり、5,000~30,000円程度かかることがあります。
型取り中に気持ち悪くなる原因は、主に精神的な理由と身体的な理由に分けられます。
それぞれに対処法があるため、事前に原因を理解することで不快感を軽減できます。
型取りに対する不安や緊張、歯医者特有の閉塞感などが原因で気持ち悪くなることがあります。
とくに、型取りが初めての場合や、過去に不快な経験があると強いストレスを感じやすいです。
また、「気持ち悪くならないだろうか」と考えすぎてしまうことで、実際に気持ち悪くなったり、吐き気を感じたりする方もいます。
型取り材が喉に触れると、嘔吐反射が誘発されることがあります。
これは、異物が食道に入らないようにするため、人間に備わっている防御反応ですが、治療中に起きてしまうと不快感につながります。
また、型取りの素材を口に含むと、呼吸がしづらくなることから、息苦しさを感じやすくなります。
型取り中の不快感を減らすには、リラックスすることが重要です。
型取り前に深呼吸を数回行い、体を落ち着けて、緊張感を和らげましょう。
事前に歯科医に苦手意識を伝えたり、型取り材が喉に触れないよう、工夫してもらうことも効果的です。
最後に、歯医者での型取りに関するよくある質問と回答をまとめました。
閉塞感や治療への過度な恐怖心から、型取り中にパニックになってしまう方もいます。
恐怖心の強い方は、事前に不安を歯科医に伝えることで対応してもらえるため、遠慮せず相談することが大切です。
型取りの所要時間は通常3〜5分程度です。
アルジネート印象材は注入してから1〜3分、シリコーン印象材は3〜5分といったように、印象材の種類や硬化時間、口腔内スキャナーの使用などによって変わります。
不快感がどれくらい続くかがわからないと、より不安を感じやすくなるため、型取りが苦手な方は事前に時間を確認しておくと安心して治療を受けられます。
息がしづらいと感じることがありますが、型取り材は口腔全体を塞ぐわけではないため、呼吸は問題なくできます。
しかし、口呼吸をすることで印象材が奥に流れ込んでしまうことがあります。
できるだけ鼻呼吸を意識し、息苦しさを感じた場合はすぐに歯科医に伝えましょう。
虫歯かもしれないと思いつつ、なかなか歯医者に行けていない方も多いのではないでしょうか。
自覚症状が表れる前に早期発見するのがベストではありますが、歯科を受診する方の多くは痛みが表れていることがほとんどです。
そのため、虫歯に痛みがあっても手遅れということはまったくありません。
痛みが出て間もない時期であれば、それほど進行しておらず、すぐに治療を済ませられるケースがほとんどです。
一方、痛みを放置しておくとどんどん進行してしまい、最悪の場合は抜歯することになってしまいます。
虫歯の治療は、とにかく早い段階で歯科を受診することが大切です。
まずはお気軽にお問い合わせください。