2024.01.20
虫歯
虫歯の治療を受ける際、白色で目立たないレジンを使用したいと考える方も多いのではないでしょうか。
レジンは基本的に保険適用で使用できるうえ、審美性が高いことから、患者さんのなかにレジンを希望される方は少なくありません。
しかし、レジンならではのデメリットや注意点もあるため、レジンを用いた治療を希望する際にはよく理解しておくことが大切です。
この記事では、レジンによる虫歯治療の特徴、メリットとデメリット、よくある質問について解説します。
Contents
コンポジットレジンとは、プラスチックでできた詰め物で、「CR」や「レジン」とも呼ばれます。
もともとの歯に近い白色で、治療後の箇所が目立たないことから、レジンの詰め物を希望する患者さんも一定数います。
歯に詰める前はペースト状になっており、歯に直接詰めて特殊な光を照射することによってレジンが固まる仕組みです。
また、レジンによる治療には保険が適用されるため、治療費も比較的安く済みます。
ダイレクトボンディングとは、ハイブリッドセラミックという素材によって、歯の欠けや隙間を修復する治療法です。
セラミックとレジンを混合した素材であるため、コンポジットレジンとよく比較されますが、それぞれ特徴は大きく異なります。
レジンは着色しやすく、約2〜3年で劣化してしまうのに対して、ハイブリッドセラミックには以下のような特徴があります。
ただし、ダイレクトボンディングは保険適用外のため、コンポジットレジンよりも治療費が高くなります。
次に、コンポジットレジンによる虫歯治療のメリットについて解説します。
コンポジットレジンは、歯に近い白色であるため、金属の詰め物よりも目立ちません。
また、金属の詰め物のように、歯や歯肉の色素沈着を引き起こすこともありません。
一般的な虫歯治療では、歯の健康な部分をすこし多めに削って土台をつくります。
しかし、コンポジットレジンは土台となる部分が必要ないため、虫歯の部分のみを削るだけで治療が完結します。
健康な歯をより多く残せることから、小さな虫歯の場合にはレジンがよく用いられます。
歯の型取りが必要な治療では、型取りのあとに詰め物をつくるため、最低でも2回の通院が必要です。
しかし、コンポジットレジンは基本的に1回の治療で詰め物ができます。
コンポジットレジンはプラスチック素材でできているため、金属アレルギーを起こしません。
金属の詰め物によるアレルギー反応が不安な人でも、安心して虫歯の治療ができます。
コンポジットレジンにはさまざまなメリットがある一方、デメリットもあります。
以下では、レジンによる虫歯治療のデメリットを紹介します。
コンポジットレジンは、銀歯よりも強度が弱く、奥歯などのかむ力が強い部位の治療には向かないことがあります。
そのため、コンポジットレジンで治療したいと思っていても、歯科医師と相談して治療方法を決めることが大切です。
コンポジットレジンは吸水性があるため、口腔内の水分を吸収します。
その結果、細菌が繁殖しやすく、虫歯の原因になる可能性があります。
二次カリエスとは、過去に歯科治療を行った部分に発生する二次的な虫歯のことです。
コンポジットレジンは経年劣化すると、詰め物と歯の間に隙間や段差ができます。
この隙間や段差にプラークが蓄積することで、そこから細菌が侵入し二次カリエスが発生するリスクがあります。
実際、歯科医院で行われる虫歯治療の大半は二次カリエスともいわれています。
続いて、コンポジットレジンによる虫歯治療の流れを解説します。
まず、レジンを詰めるにあたって、虫歯の部分を除去します。
過去に虫歯治療をしている部位の場合は、虫歯治療をする前に、古くなった詰め物を除去します。
古い詰め物は、経年劣化によって欠けた部分から細菌が侵入して、虫歯が再発している可能性があります。
虫歯を除去したあと、削った部分にペースト状のコンポジットレジンと専用の接着剤を詰めます。
コンポジットレジンを詰めた部分に、照射器で特殊な光を3〜10秒ほどあてて、しっかりとコンポジットレジンを固めます。
コンポジットレジンが固まったら、余分な部分を削り、自然な歯の形になるよう整えます。
形が整ったら、ザラザラした舌触りにならないようしっかり研磨し、かみあわせを確認して終了です。
最後に、コンポジットレジンに関するよくある質問と回答について紹介します。
コンポジットレジンによる虫歯治療は、ほかの詰め物や被せ物に比べて、虫歯の再発リスクが高くなります。
経年劣化によって歯と被せ物の間に隙間ができると、汚れがつきやすくなり、虫歯が再発する原因となります。
コンポジットレジンでの虫歯治療にかかる時間は、虫歯1本あたり約15分です。
コンポジットレジンの治療は保険が適用され、虫歯1本あたり1,500円〜2,000円くらいです。
なお、その他の検査や治療をあわせて実施する場合は、別途費用が追加されます。
きれいな状態を維持できる期間の目安は約2〜3年です。
日常的なケアが行き届いていれば、レジンの寿命を延ばせますが、定期的な検診を受けてチェックしてもらいましょう。
虫歯かもしれないと思いつつ、なかなか歯医者に行けていない方も多いのではないでしょうか。
自覚症状が表れる前に早期発見するのがベストではありますが、歯科を受診する方の多くは痛みが表れていることがほとんどです。
そのため、虫歯に痛みがあっても手遅れということはまったくありません。
痛みが出て間もない時期であれば、それほど進行しておらず、すぐに治療を済ませられるケースがほとんどです。
一方、痛みを放置しておくとどんどん進行してしまい、最悪の場合は抜歯することになってしまいます。
虫歯の治療は、とにかく早い段階で歯科を受診することが大切です。
まずはお気軽にお問い合わせください。