2024.01.20
虫歯
親御さんのなかには、子どもは大人よりも虫歯になりやすいと感じている方もいるのではないでしょうか。
実際、子どもの歯は虫歯になりやすく、家庭での歯磨きやセルフチェックが大切です。
また、もし虫歯になってしまったとしても、早期に発見できれば歯を削ることなく、治療することもできます。
この記事では、子どもが虫歯になりやすい理由、子どもの虫歯を見つけるコツ、治療や予防の方法について解説します。
Contents
虫歯の原因としては、以下の3つが考えられます。
歯の表面にできた歯垢には、さまざまな細菌が存在しており、なかでもミュータンス菌が虫歯の原因になります。
ミュータンス菌は、食べ物や飲み物から糖分を摂取し、歯を溶かす酸を出すのですが、ミュータンス菌によって歯が溶かされている状態が虫歯です。
また、生えたばかりの永久歯のように、虫歯になりやすい歯の状態もあります。
次に、子どもが虫歯になりやすい理由について解説します。
子どもが虫歯になりやすい理由としては、以下の5つが考えられます。
子どもが虫歯にならないためには、上記の項目に気をつけましょう。
以下では、それぞれの理由について詳しく解説します。
子どもは、自分で歯を正しく磨くことが難しいため、保護者が子どもの歯を磨いてあげることも多いのではないでしょうか。
しかし、自分の歯を磨くときとは勝手が違うことから、子どもの歯を正しく磨けないケースがあります。
また、子どもが面倒くさがって歯を磨きたがらないケースもありますが、虫歯を予防するには食後の歯磨きを徹底させることが大切です。
歯の表面には、エナメル質と呼ばれる層があり、歯の外側をカバーしていますが、乳歯のエナメル質は永久歯の半分ほどの厚さです。
虫歯は、エナメル質に穴が開くことから進行するため、エナメル質が薄いということは、虫歯になりやすい状態ということです。
また、虫歯になった際の進行も早いので、早期発見をするうえでもこまめに検診に連れていくのがおすすめです。
おやつの時間には甘いお菓子などを食べることもあるかと思いますが、糖分の多い食べ物は虫歯のリスクを高めます。
とくに、口の中にお菓子がある間は、虫歯菌のエサである糖分がたくさんある状態です。
そのため、おやつをダラダラと食べることは避け、おやつの時間は30分以内に抑えるようにしましょう。
親や家族から子どもに虫歯菌がうつるといったことを、聞いたことがある方もいるでしょう。
生まれたての赤ちゃんの場合、口の中にミュータンス菌はいないため、虫歯になるリスクはほとんどありません。
ただし、食器の共有や回し飲みなどによって、虫歯菌がうつることがあるため、子どものうちは虫歯菌をうつさないような対策をしておくと安心です。
お菓子以外にも、ジュースやスポーツドリンクなどには糖分が多く含まれているため、気づかないうちに糖分を摂取しすぎて虫歯になることがあります。
また、ジュースやスポーツドリンクは飲みすぎると高血糖になり、さらに喉が渇きやすくなることから、ついつい飲み過ぎてしまうことも少なくありません。
飲み過ぎを防ぐうえでは、コップ1杯のように、あらかじめ量を決めて飲む方法が効果的です。
子どもの虫歯は進行しやすいため、できるだけ早めに発見してあげることが悪化を防ぐコツです。
子どもの虫歯を見つけるためのポイントとして、以下の2点を意識しておきましょう。
以下では、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
虫歯になると、歯が黒色になるイメージがある方は多いかもしれませんが、乳歯の虫歯は白いことが多いです。
初期虫歯は、エナメル質のカルシウム成分が溶け出すことから白く濁るような見た目をしており、乳歯に白い斑点がある場合には要注意です。
子どもの虫歯の見た目の特徴を知ると同時に、虫歯になりやすい箇所を知っておくと、より重点的にチェックできます。
子どもの虫歯は歯の間にできることが多く、前歯・奥歯のどちらにもできることがあります。
前歯は確認しやすいですが、奥歯は歯と歯の間が詰まっていて見づらいため、ライトつきのデンタルミラーなどを活用するのもおすすめです。
子どもの虫歯を治療しないで放置すると、以下のような悪影響があります。
乳歯が虫歯になったとしても、どうせ抜けるから大丈夫と考えている方もいるかもしれませんが、治療せずに放置するのは大間違いです。
続いて、子どもの虫歯を放置することによる悪影響について解説します。
子どものうちはあごが発達している段階で、将来の噛み合わせが決まる大事な時期でもあります。
そこで乳歯の虫歯を放置してしまうと、虫歯の歯をかばうような噛み癖などがつき、噛み合わせが悪くなることがあります。
乳歯が虫歯になった状態で放置していると、永久歯に生え変わるタイミングで、歯並びに悪影響を及ぼすおそれがあります。
虫歯によって、噛み合わせがズレたり、永久歯が生える場所が狭まったりして、きれいに永久歯が生えてこなくなることが原因です。
乳歯の虫歯が神経まで進行してしまうと、永久歯が虫歯になりやすくなります。
虫歯が神経まで進行した場合、永久歯が成長する際に、エナメル質の形成が中途半端なままになってしまいます。
前述のとおり、エナメル質は歯の表面を守る役割をしているため、エナメル質が十分に形成されていないと、虫歯になりやすい状態といえます。
子どもの虫歯は、以下のような流れで進行します。
子どもの虫歯は、大人の虫歯に比べて進行が早く、将来的な永久歯の成長や歯並びにも影響を与えるため、早いうちから対策をすることが大切です。
子どもの虫歯の治療方法は、以下のように虫歯の進行状況によって異なります。
次に、虫歯の進行状況別の治療方法について解説します。
初期虫歯とは、虫歯になりかけの状態のことです。
この状態では、歯を削るといった大がかりな治療はせず、歯磨きの指導やフッ素塗布によって対応します。
軽度の虫歯とは、歯の表面にあるエナメル質に虫歯ができた状態のことです。
軽度の虫歯を治療する場合には、虫歯の箇所のみ除去し、レジンで埋めて穴をふさぐ治療が行われます。
象牙質まで進行した虫歯とは、エナメル質に穴が空き、その内側にある象牙質まで
虫歯が進行した状態です。
基本的には、軽度の虫歯と同じ治療が行われますが、虫歯の状態によってはレジンではなく、金属の詰め物をする場合もあります。
神経間で進行した虫歯とは、象牙質よりも内側にある歯髄まで虫歯が進行した状態です。
神経を除去する治療が行われますが、虫歯の状態によっては、神経を一部残した治療も可能です。
重度の虫歯とは、虫歯が神経まで到達してしまい、歯の根元がグラグラしている状態です。
ここまで進行すると、治療して歯を残すことは難しく、歯を抜く治療が必要になります。
なお、乳歯が重度の虫歯になっている場合には、これから生える永久歯のために補強をしておくこともあります。
子どもの虫歯を予防する場合には、以下の4つの方法があります。
とくに乳歯の虫歯は、後に生える永久歯やあごの成長に影響するため、日頃のケアで予防することがとても大切です。
以下では、虫歯の予防方法をそれぞれ解説します。
おやつを食べる時間が長いと、虫歯になりやすいということからもわかるとおり、間食に気をつけることで虫歯の予防ができます。
具体的には、以下のような対策ができるでしょう。
子どもの場合、一度に食べられる食事の量が少なく、間食でエネルギーを補給することもありますが、糖分の多いお菓子や間食の時間には注意しましょう。
乳歯の虫歯は白いまま進行するほか、奥歯の隙間に虫歯ができやすいことから、自宅での虫歯チェックはなかなか難しいです。
そのため、定期的にかかりつけの歯医者で検診を受けることをおすすめします。
定期検診では、虫歯のチェックや治療だけでなく、歯磨き指導、歯並びやあごの発達の家訓などもしてもらえます。
さまざまな面からお口の健康を維持することにもつながるため、ぜひ取り組みたい予防策の一つです。
歯にフッ素を塗布すると、歯の再石灰化を促し、歯の強度を高めることにつながります。
再石灰化とは、虫歯菌がつくりだした酸によって、エナメル質からカルシウムやリンなどが溶け出した部分に、再びカルシウムやリンなどが補充されることです。
再石灰化を促進するはたらきをもつフッ素を塗布することは、歯のエナメル質に栄養を与え、虫歯を予防する方法として効果的です。
シーラントとは、奥歯の溝にレジンを詰めて、歯の溝に食べかすや汚れがたまりづらくする治療です。
虫歯の原因は、歯の溝にたまった食べかすや汚れをエサにして、虫歯菌がエナメル質を溶かすことであるため、レジンで溝をふさいで虫歯を予防することが可能です。
虫歯は、質・細菌・糖分・時間の4要素が重なることで発生しやすくなります。
自覚症状の少ない虫歯は、気づいたときにはすでに重症化していることも多く、歯を健康に保つには虫歯の予防が非常に重要です。
また、虫歯を予防するにはホームケアだけでは限界があります。
当院では、治療や定期検診の際に、無料でフッ素塗布による予防ケアをさせていただいております。
定期的なメンテナンスや予防治療をご希望の方は、ぜひお気軽にご相談ください。