2023.10.10
歯並び・矯正
歯科矯正をする方のなかでも、出っ歯を直したいというニーズは非常に多いケースです。
しかし、出っ歯には適していない矯正方法があったり、抜歯が必要となったりと、出っ歯の矯正にあたっては知っておきたいポイントがたくさんあります。
この記事では、出っ歯を直すための矯正方法、治療方法や費用、期間について解説します。
Contents
出っ歯を治すための矯正には、「全体矯正」と「部分矯正」の2つがあります。
また、全体矯正と部分矯正で用いられる矯正方法として、以下の3種類があります。
矯正治療では、歯並びの状態や希望の条件などによって、どの治療が合っているのかが変わるため、どの方法で矯正治療が受けられるのか知りたい場合には、歯科医に相談してみてください。
以下では、それぞれの矯正方法について、全体矯正と部分矯正に分けて解説します。
全体矯正とは、その名のとおり、歯を全体的に動かして歯並びを整える矯正治療のことです。
歯を全体的に動かすため、矯正期間が長くなったり、費用が高くなったりするデメリットがあります。
しかし、上下の奥歯から前歯まで、すべての歯並びを整えられるうえ、噛み合わせの治療もできるため、歯を大きく動かす必要がある場合や噛み合わせを直したい場合には、全体矯正が向いています。
次に全体矯正での「表側矯正」「裏側矯正」「マウスピース矯正」について解説します。
表側矯正とは、歯の表側にブラケットと呼ばれる矯正器具を装着し、ブラケットにワイヤーを通すことで矯正する方法です。
表側矯正は、矯正器具が口腔内を傷つける恐れがあることや矯正器具が目立ってしまうことがデメリットですが、軽度から重度まで幅広い症例に対応できるメリットがあります。
ほかの矯正方法では難しい症例の場合には、表側矯正で治療が行われることが多いです。
裏側矯正とは、歯の裏側にブラケットを装着し、ブラケットにワイヤーを通すことで矯正する方法です。
表側矯正と比べて費用は高くなりやすいですが、歯の裏側に矯正器具を装着するため、矯正器具が目立たないことが特徴です。
また、前歯を後ろから引っ張って矯正するため、前歯を後方に動かしやすいといった特徴もあります。
ただし、裏側矯正は矯正器具が舌に近いため、当たらないように注意が必要です。
マウスピース矯正とは、透明なマウスピースを使って歯を矯正する方法です。
透明なマウスピースを使うことから矯正器具が目立ちにくいうえ、マウスピースは取り外して口腔ケアができるため、虫歯や歯周病になりにくいなどのメリットがあります。
ただし、マウスピースが取り外せるといっても、1日20時間以上は装着することが求められるため、装着し忘れがないように自己管理が必要です。
部分矯正とは、前歯のみや八重歯のみのように、歯の一部を動かして歯並びを整える矯正治療のことです。
全体矯正よりも治療にかかる期間や費用を抑えられる点が特徴です。
ただし、噛み合わせが全体的に合っていない場合の治療は難しいため、すべての症例で部分矯正ができるわけではないことに注意しましょう。
次に部分矯正での「表側矯正」「裏側矯正」「マウスピース矯正」について解説します。
部分矯正での表側矯正は、矯正する一部の歯にのみブラケットを装着し、ワイヤーを通すことで矯正します。
噛み合わせの治療が必要なく、出っ歯のみの矯正だけで問題なければ、部分矯正の表側矯正でも歯並びを整えられるでしょう。
表側矯正と同じく、歯の裏側にブラケットを装着する裏側矯正でも部分矯正ができます。
全体矯正の場合と同じで、矯正器具を目立たせることなく、矯正治療が可能です。
マウスピース矯正による部分矯正も可能です。
前歯のみを矯正したい場合には、マウスピース矯正の部分矯正を行ってもよいでしょう。
ただし、治療できない症例もあるため、注意が必要です。
出っ歯を矯正する場合の費用相場は、以下の表のようになっています。
全体矯正の費用相場 | 部分矯正の費用相場 | |
表側矯正 | 60~130万円 | 30〜60万円 |
裏側矯正 | 100~170万円 | 40〜70万円 |
マウスピース矯正 | 60~130万円 | 30~60万円 |
裏側矯正がもっとも費用が高く、表側矯正とマウスピース矯正の費用相場は同じくらいです。
ただし、費用は歯科医院によって異なるため、詳しくは歯医者に相談してみてください。
出っ歯を矯正する場合の治療期間の目安は、以下の表のようになっています。
全体矯正の治療期間 | 部分矯正の治療期間 | |
表側矯正 | 1〜3年 | 半年〜1年 |
裏側矯正 | 1〜3年 | 半年〜1年 |
マウスピース矯正 | 1~2年 | 半年~1年 |
矯正治療の治療期間は症例によって異なるため、詳しい治療期間については歯医者に歯並びの状態を見てもらってから、相談するとよいでしょう。
出っ歯を矯正したあとには、以下のような注意点があります。
続いて、それぞれの注意点について解説します。
矯正治療が終わったとしても、安定するまでは歯がもとに戻ろうとします。
そのため、歯にリテーナーと呼ばれる保定装置を装着して、矯正期間と同じくらいの期間、保定することが必要です。
リテーナーを装着しないと、せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまうリスクがあるので気をつけましょう。
出っ歯を引き起こす癖に気をつけることも大切です。
とくに以下のような癖は、出っ歯を引き起こす可能性があるため、できるだけ避けるようにしましょう。
矯正治療が終わったとしても、癖をやめなければ、再び出っ歯になる可能性があります。
もし、上記のような癖がある場合には、やめるようにしましょう。
しっかりと歯を磨くことは、虫歯や歯周病にならないために大切です。
矯正治療が終わって歯並びが整ったとしても、虫歯や歯周病があると、歯の見栄えが悪くなってしまいます。
そのため、矯正治療が終わったあとは、虫歯や歯周病にならないようにしっかりと歯を磨くようにしましょう。
矯正治療後には、定期的に歯科検診を受けることをおすすめします。
矯正治療後、リテーナーを装着していたとしても、歯が後戻りをしてしまうことがあります。
そのため、定期的に歯科検診を受けてしっかりと歯を保定できているかを確認し、後戻りを防げるようにしましょう。
出っ歯の矯正治療について解説しましたが、まだ疑問に思うことがある方はいると思います。
最後に、出っ歯の矯正に関するよくある質問と回答を紹介します。
出っ歯を矯正すると顔つきがかならず変わるわけではありませんが、矯正したことにより、顔の印象が変わったと感じられる方は多いです。
歯並びが整っている人の方が、よい印象のイメージがある方は多いのではないでしょうか。
また、出っ歯が治ることによって、歯並びを気にせずに笑顔ができるようになるのも印象が変わる要因です。
出っ歯を矯正するうえで、抜歯が必要になるケースもあります。
しかし、出っ歯の矯正治療でかならず抜歯をするとは限りません。
前歯が大きく出ている場合、抜歯しないと歯を動かすスペースを確保できないことがあるため、必要に応じて歯を抜いてから矯正治療に入ります。
同じ出っ歯矯正であっても、大人と子どもの場合で治療の計画や方法には違いがあります。
たとえば、子どもは成長に伴って骨格が変わるため、成長段階に応じた治療計画を立てることが大切です。
そのため、将来的な骨格の変化を見据えて、矯正開始のタイミングや方針などを考えなければいけません。
歯並びは顔の印象を大きく左右するため、歯列矯正によって口元を美しくしたいと考える方は多くいます。
また、矯正には歯並びを整えることで日頃のケアが行き届きやすい口内環境をつくり、虫歯や歯周病のリスクを軽減する役割もあります。
しかし、歯列矯正にもワイヤー矯正や裏側矯正をはじめ、さまざまな種類があるうえ、それぞれメリットやデメリット、かかる費用などが異なります。
そのため、歯の状態や予算に応じて、自分に合った矯正方法を選ぶことが大切です。
当院では、小児から大人まで豊富な矯正治療の実績をもとに、一人ひとりの患者さんに合った治療方法を提案させていただいております。
歯列矯正に関して詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。