2024.05.03
歯並び・矯正
矯正中に矯正器具が口腔内にあたって痛みが生じた場合には、矯正用ワックスを使用して痛みをやわらげることが可能です。
しかし、矯正用ワックスとはどのようなものなのかがわからない方もいるでしょう。
この記事では、矯正用ワックスの使い方から売っている場所、寝るときや食べるときの対処方法について詳しく解説します。
Contents
矯正用のワックスとは、ワイヤーやブラケットなどの矯正器具から口腔内を保護するためのものです。
ワイヤー矯正中には、矯正器具が口腔内や口内炎などにあたって痛みが生じることがあります。
そこで、口腔内に接触している部分の矯正器具にワックスをつけると、痛みが軽減されるという仕組みです。
矯正用ワックスには、シリコンタイプとペーストタイプの2種類があり、シリコンタイプのワックスはすぐに固まりやすいです。
矯正用ワックスは、以下のステップで使います。
正しく矯正用ワックスを使うことで、ワックスが取れづらくなったり、違和感を抑えたりできるため、使い方をしっかりと覚えましょう。
以下では、それぞれのステップについて詳しく解説します。
矯正用ワックスを使う際には、まず歯磨きをします。
ワックスを使う前に歯磨きをすることで、虫歯を防いだり、口腔内を清潔に保ったりするだけでなく、ワックスを密着しやすくする効果もあります。
矯正器具の周りに歯垢が残っていると、ワックスが密着しづらいため、ワックスを使う前にはしっかりと歯磨きをしましょう。
歯磨きが終わったあとは、矯正用ワックスを適量ちぎって丸めます。
ただし、ワックスは口腔内に使うため、ワックスをちぎる前にしっかりと手を洗い、清潔にしておきましょう。
なお、ワックスを多くつけすぎると、ワックスをつけた部分が盛り上がってしまい、違和感を感じることもあります。
そのため、だいたい豆粒くらいの大きさにちぎって丸めるとよいです。
矯正器具や歯に水分が残っていると、ワックスが密着しづらくなるため、あらかじめワックスをつける部分の水分をとります。
ティッシュやタオルなどを使ってしっかりと水分をふきとっておきましょう。
なお、矯正器具と歯の間の小さな隙間は、水分がふきとりづらいため、ティッシュをよじって先端を細くするのがコツです。
ワックスをつける部分の水分がある程度ふきとれたら、最後にブラケットにワックスをつけます。
ブラケットにワックスをつける際には、ワックスをゆっくりと押し付けるようにして、ブラケットに密着させましょう。
ワックスがズレないように、しっかりと位置を確認して、ワックスを押し付けるようにすると失敗する可能性が高まります。
矯正用ワックスをつけると痛みが薄れることから、ついワックスをつけたことを忘れてしまいがちですが、ワックスの取り外しを忘れないようにしましょう。
以下では、寝るときや食べるときにワックスをどうすればいいのかを解説します。
寝るときには、矯正用ワックスを取り外さなくても大丈夫です。
矯正器具が口腔内にあたって生じる痛みによって、眠れないという方もいるかもしれません。
そのような場合には、ワックスを使って痛みを軽減してから、寝るようにするとよいでしょう。
寝る前の歯磨きのあとであれば、器具の周りも清潔な状態になっているので、そのままワックスをつけても問題ありません。
食べ物を食べるときには、矯正用ワックスを取り外すようにしましょう。
食事中はワックスが取れやすいため、誤って取れたワックスを飲み込んでしまう危険性があります。
そのため、ワックスを使っている場合には、食事の前にワックスを忘れずに取り外しましょう。
矯正用ワックスは、薬局やドラッグストアではあまり見かけません。
そのため、主に以下の2か所で購入できます。
矯正治療をおこなっている歯医者の多くでは、ワックスを販売しています。
そのため、歯医者で矯正用ワックスの使用に関する相談をするとともに、ワックスの購入を検討することがおすすめです。
また、矯正方法や痛みの程度に応じて、適切なタイプのワックスを選んでもらえる点も歯医者で購入するメリットです。
今すぐに矯正用ワックスを使いたい場合でも、手元にワックスがないこともあるでしょう。
基本的には、矯正用のワックスを使用した方がよいですが、痛みに我慢できない場合には、入れ歯安定剤を代用する方法もあります。
入れ歯安定剤は、口に入れても安心な成分でできているほか、ドラックストアでも購入可能です。
また、器具が口腔内にあたるのを防げるため、応急処置として痛みを抑えるにはおすすめのアイテムです。
ただし、本来の用途ではないため、あくまでも緊急時の代用として使うようにして、すぐに矯正用のワックスを購入するようにしましょう。
最後に、矯正用ワックスに関して、実際に患者さんから寄せられる疑問や質問と回答をまとめました。
矯正用ワックスの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
矯正用ワックスは再利用できません。
口腔内につけるワックスは、衛生上の観点から一度使ったものは破棄すべきです。
たとえ短時間であっても、一度外したものをもう一度つけるのは避けましょう。
矯正用ワックスが歯から外れてしまい、誤って飲み込んでしまっても、体に大きな害はありません。
もちろん、飲み込まない方がよいですが、飲み込んでしまっても体に害はないため、無理矢理吐き出そうとしなくても大丈夫です。
矯正用ワックスの値段はさまざまで、安いものから高いものまであります。
安いワックスであれば500円程度、高いワックスであれば1,500円程度の価格で販売されています。
ただし、実際に購入する際には、ワックスの値段よりもシリコンタイプかペーストタイプかの違いから選ぶ方法がおすすめです。
歯並びは顔の印象を大きく左右するため、歯列矯正によって口元を美しくしたいと考える方は多くいます。
また、矯正には歯並びを整えることで日頃のケアが行き届きやすい口内環境をつくり、虫歯や歯周病のリスクを軽減する役割もあります。
しかし、歯列矯正にもワイヤー矯正や裏側矯正をはじめ、さまざまな種類があるうえ、それぞれメリットやデメリット、かかる費用などが異なります。
そのため、歯の状態や予算に応じて、自分に合った矯正方法を選ぶことが大切です。
当院では、小児から大人まで豊富な矯正治療の実績をもとに、一人ひとりの患者さんに合った治療方法を提案させていただいております。
歯列矯正に関して詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。