2024.05.09
歯並び・矯正
矯正治療を検討している方のなかには、インビザラインが気になっているという方も多いのではないでしょうか。
インビザラインは、マウスピース矯正の一種であり、一般的なワイヤー矯正とは方法や費用が大きく異なります。
この記事では、インビザライン矯正のメリットやデメリットから、ほかの矯正方法との違いまでを解説します。
Contents
インビザラインとは、マウスピース矯正の一種であり、アメリカのアライン・テクノロジー社によって開発された矯正方法です。
透明なマウスピースを利用するため、矯正治療中であることが目立ちにくく、ワイヤーをつけたくない方に人気の方法です。
インビザラインの特徴としては、マウスピースを作成する際にとった歯型を3Dデジタル化をしたうえで、詳細な治療計画を立てる点があげられます。
インビザラインは、ワイヤー矯正やほかのマウスピース矯正となにが違うのでしょうか。
それぞれの特徴や違いについて、以下の表にまとめました。
インビザライン | 一般的なマウスピース矯正 | ワイヤー矯正 | |
治療期間 | 2~4年 | 2~4年 | 2~3年 |
通院頻度 | 2~3か月に1回 | 2週間~1か月に1回 | 1か月に1回 |
矯正中の見た目 | 目立ちにくい | 目立ちにくい | 矯正器具が目立つ |
矯正中の食事 | 制限なし | 制限なし | 制限あり |
費用 | 約70万~100万円 | 約60万~100万円 | 約70万円~80万円 |
対応症例 | 対応できない症例あり | 対応できない症例あり | 幅広い症例に対応可能 |
再現性 | 全世界1,400万人以上の治療データをもとに、治療計画の作成ができる | 歯科技工士の経験や技術に左右されやすい | 歴史のある矯正治療であるため、治療データが豊富にある |
インビザラインは、ほかの矯正治療よりも費用が高いですが、通院頻度が少なく、矯正器具が目立ちにくい点が特徴です。
また、一般的なマウスピース矯正では通院のたびに歯型をとる必要があるのに対し、インビザラインでははじめの一回だけ歯形をとるので、患者さんの負担も少ない矯正方法です。
インビザライン矯正は、以下のような流れで行われます。
続いて、それぞれの流れについて解説します。
インビザラインでの矯正治療は、カウンセリングから始まります。
カウンセリングでは、現状の歯並びを確認するほか、虫歯・歯周病などがないかチェックします。
インビザラインに限らず、虫歯や歯周病などがある場合には、矯正開始前に治療する必要があります。
また、専用のシミュレーションツールを利用して、現在の状況や矯正治療後の歯並びの変化を予測したり、治療期間や費用を確認したりできます。
カウンセリングの結果、インビザラインによる矯正を進める場合には精密検査をおこないます。
精密検査では、口腔内検査・レントゲン撮影・顔や口の中の写真撮影が必要となるほか、マウスピースを作るための歯型も採取します。
精密検査のあと、検査結果をもとに診断をおこない、治療計画についての説明があります。
歯科医院によっては、このタイミングで契約書へのサインがおこなわれることもあります。
採取した歯型をもとにマウスピースが完成したら、矯正治療が始まります。
マウスピースをはじめて使う場合には、着脱や手入れの方法、取扱時の注意点など、マウスピースについての説明を受けます。
矯正治療中は、定期的に健診を受け、治療の進行度合いに合わせて新たなマウスピースに変更します。
はじめのうちは月1回の頻度で健診に通いますが、ある程度期間が経過すると月2〜3か月の頻度になります。
2~4年ほどの治療を終え、歯並びが整ったら矯正治療は終了です。
しかし、矯正治療を終了したとしても、歯並びがもとに戻らないように、一定期間は保定装置を使い、歯並びが整った状態で安定させます。
インビザライン矯正には、以下のようなメリットがあります。
続いて、それぞれのメリットについて解説します。
インビザライン矯正の最大のメリットとして、世界的にも優れた技術であることがあげられます。
インビザライン矯正は、マウスピース矯正のなかでも世界一の治療実績があり、全世界で累計1,400万人が受けています。
また、1,400万人の治療データをもとに、日々研究が進められているため、技術が進歩しつづけている矯正治療です。
インビザライン矯正では、透明なマウスピースを用いるため、ワイヤー矯正のように矯正器具が目立つことはありません。
そのため、営業職や接客業のように、人と顔を合わせる機会が多い方には人気の矯正方法となっています。
インビザライン矯正は、ほかの矯正治療と異なり、治療計画を3Dシミュレーションで確認できます。
事前に治療開始から終了までの歯の動きを3Dシミュレーションとともにチェックできるため、治療後にどのような状態になるかイメージしたうえで、治療を受けるかどうかの判断が可能です。
ワイヤー矯正の場合には、食べ物の制限や、接触の多いスポーツの制限などが求められます。
しかし、インビザライン矯正では、矯正器具を取り外せるため、行動制限がほとんどありません。
矯正中の行動制限はストレスにもつながるため、自由に食事やスポーツを楽しみたい方におすすめの矯正方法でもあります。
ワイヤー矯正では一気に歯を動かすのに対して、インビザライン矯正ではすこしずつ段階的に歯を動かします。
もちろん、一気に歯を動かす方が矯正は早く終わりますが、歯の位置やかみあわせが大きく変わることによって、違和感や痛みが生じる可能性も高まります。
一方、インビザライン矯正ではすこしずつ段階的に歯を動かすため、違和感や痛みを感じる方はほとんどいません。
インビザライン矯正には、以下の4つのデメリットがあります。
続いて、それぞれのデメリットについて解説します。
インビザライン矯正は比較的新しい技術であるため、歯科医の技術によっては治療ができないケースもあります。
また、技術によって矯正治療の効果が変わるため、インビザライン矯正の経験や実績のある歯医者を選ぶことが大切です。
インビザライン矯正では矯正器具を取り外せますが、マウスピースを忘れずに装着しなければなりません。
インビザライン矯正の効果をしっかりと得るためには、マウスピースを決められた時間、装着する必要があり、食事や歯磨きが終わったら再び装着することが重要です。
重度歯周病の場合、矯正中に歯が抜けるリスクがあるため、インビザライン矯正ができません。
また、インプラントのように人工の歯を埋めている場合は移動できないことから、インビザライン矯正はできません。
そのため、重度歯周病やインプラントの方が歯並びを矯正したい場合には、一度歯科医に相談してみることをおすすめします。
ワイヤー矯正は幅広い症例に対応できるのに対し、インビザライン矯正は対応できない症例があります。
たとえば、出っ歯や受け口のなかでも、上下のあごのズレが大きい場合には、インビザライン矯正が困難です。
矯正前に抜歯をしたり、ほかの矯正方法を併用したりすることで、インビザライン矯正ができるケースもありますが、歯医者への相談が必要です。
インビザライン矯正には、歯全体を動かして歯並びを整える「全体矯正」と、一部の歯を動かして歯並びを整える「部分矯正」があります。
治療期間の目安は、部分矯正では半年〜1年程度、全体矯正では2〜4年程度と考えておきましょう。
インビザライン矯正の費用相場も、全体矯正か部分矯正かによって異なります。
それぞれの費用は、部分矯正が約30万〜40万円、全体矯正が70万〜100万円ほどです。
また、歯科医院によっては、毎月4,000円〜1万円程度の調整料がかかる場合もあります。
インビザライン矯正に関して、患者さんから質問がある点をまとめました。
矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
インビザライン矯正中でも、キスはできます。
インビザライン矯正のマウスピースでは、ワイヤー矯正のように矯正器具で相手の口を傷つけるおそれが少ないです。
インビザライン矯正では、抜歯が必要になることもあります。
主に、以下のようなケースでは抜歯が必要です。
上記のような場合には、インビザライン矯正をするにあたって抜歯が必要になることがあるため、当てはまるかもしれないと感じる方は歯医者で相談してみましょう。
インビザライン矯正では、全体矯正だけでなく部分矯正もできます。
部分矯正で対応できる場合、矯正にかかる期間が短くなるうえ、費用も抑えられます。
ただし、部分矯正ができるかどうかは歯科医の判断によるため、インビザライン矯正を検討する場合には歯医者で相談してみましょう。
歯並びは顔の印象を大きく左右するため、歯列矯正によって口元を美しくしたいと考える方は多くいます。
また、矯正には歯並びを整えることで日頃のケアが行き届きやすい口内環境をつくり、虫歯や歯周病のリスクを軽減する役割もあります。
しかし、歯列矯正にもワイヤー矯正や裏側矯正をはじめ、さまざまな種類があるうえ、それぞれメリットやデメリット、かかる費用などが異なります。
そのため、歯の状態や予算に応じて、自分に合った矯正方法を選ぶことが大切です。
当院では、小児から大人まで豊富な矯正治療の実績をもとに、一人ひとりの患者さんに合った治療方法を提案させていただいております。
歯列矯正に関して詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。