2023.11.10
歯並び・矯正
ブラケットは矯正治療に用いられる器具の名前で、ワイヤー矯正では欠かせません。
矯正治療の際には、ブラケットの素材や種類を選ぶことができますが、それぞれの違いがわかりにくいという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ブラケットの概要、仕組みや種類、素材ごとの費用やメリットについて解説します。
Contents
ブラケット矯正とは、ブラケットと呼ばれる矯正器具を用いた矯正治療です。
ブラケットには、ワイヤーを通すための溝があり、その溝にワイヤーを通して歯に力をかけることによって、歯を移動させて歯並びを整えます。
ブラケットやワイヤーは、金属製のものが一般的ですが、セラミック製やプラスチック製などのものもあり、矯正器具を目立ちにくくしたい方には金属以外の素材がおすすめです。
以下では、ブラケット矯正の仕組みや痛みについて解説します。
まず、ブラケット矯正では、ブラケットに通したワイヤーで歯に力を加えます。
歯に力が加わると、歯の周りの骨と、歯の間にある歯根膜と呼ばれる薄い膜が、歯が動く方向側では縮み、反対側は引き伸ばされます。
歯根膜が刺激されると、歯を動かす側の骨を溶かし、反対側では歯をつくるはたらきが活発になります。
ブラケット矯正では、上記を繰り返すことによって歯並びを整える仕組みです。
ブラケット矯正では、矯正器具が口の内部にあたることによって、口内炎ができ、痛みが生じる場合があります。
口内炎の場合、基本的に3〜4日までが痛みのピークと言われています。
また、矯正器具が唇にあたることで、痛みが生じる場合もあるため、矯正器具があたりにくいよう、話し方や食べ方に気をつけるとよいでしょう。
ブラケットには、以下の5つの種類があります。
以下では、それぞれのブラケットについて詳しく解説します。
メタルブラケットは、歯科矯正でよく使われるブラケットです。
ステンレススチールやチタンなどの金属でつくられており、以下のようなメリットがあります。
ただし、金属でできていることから、矯正器具が目立ちやすいデメリットもあります。
プラスチックブラケットとは、プラスチック素材でつくられたブラケットです。
プラスチックブラケットのメリットには、以下のようなメリットがあります。
しかし、メタルブラケットに比べて摩擦が大きいため、歯の移動が遅くなる場合があります。
セラミックブラケットは、高品質なセラミック素材でつくられているブラケットです。
セラミックブラケットには、以下のようなメリットがあります。
ただし、メタルブラケットと比較して費用が高い点がデメリットです。
また、強い衝撃が加わるとブラケットが割れる可能性があるため、日々の取り扱いにも注意が必要です。
ジルコニアブラケットは、ジルコニアというセラミックの一種である素材でつくられたブラケットです。
高い強度と耐久性、耐熱性をもち、見た目のきれいさも兼ね備えています。
ジルコニアブラケットには、以下のようなメリットがあります。
しかし、セラミックブラケットと同様に、メタルブラケットやプラスチックブラケットよりも費用が高くなるデメリットがあります。
リンガルブラケットは、歯の裏側に取りつけるブラケットのことです。
リンガルブラケットには、以下のようなメリットがあります。
しかし、リンガルブラケットは歯の裏側に装着するため、施術にあたって高度な技術が必要となります。
また、歯の裏側にブラケットがあることから、日々の歯磨きやケアの際に見えにくく、歯垢や汚れがたまりやすい点もデメリットです。
ブラケット矯正にかかる費用の目安は、以下のようになっています。
種類 | 費用 |
メタルブラケット | 約30~80万円 |
プラスチックブラケット | 約60~90万円 |
セラミックブラケット | 約65~100万円 |
ジルコニアブラケット | 約65~100万円 |
リンガルブラケット | 約80~150万円 |
矯正費用を抑えたい場合、メタルブラケットがおすすめですが、多少予算を上げてでも審美性や耐久性を重視したい場合には、その他のブラケットも選択肢に入ります。
最終的には、どのような要素を重視するかによって選びましょう。
ブラケット矯正には、以下のようなメリットがあります。
ブラケット矯正は、矯正方法のなかでもっともメジャーな方法であるため、症例や実績が多く、研究も進んでいます。
また、矯正力にも長けており、ほかの矯正方法では対応できない症例にも対応可能です。
また、メタルブラケットやプラスチックブラケットのように、金属アレルギーでも安心してできる素材や、目立ちにくい素材が選べる点も大きなメリットです。
ブラケット矯正には、以下のようなデメリットがあります。
ブラケット矯正では、違和感や喋りづらさを感じる方が多くいます。
また、金属製のブラケットは矯正器具が目立つ点もデメリットといえるでしょう。
ブラケット矯正では、奥歯にブラケットを装着しないケースが多いです。
理由は、奥歯を固定源として使うためです。
奥歯も動かしたい場合には、ブラケットを装着することもありますが、奥歯は力がかかりやすいため、セラミック製ではなく金属製のブラケットが用いられます。
矯正中にブラケットが外れた場合には、以下のような対処法がおすすめです。
それぞれの対処法について詳しく解説します。
矯正中にブラケットが外れた場合には、迷わず担当している歯医者に連絡しましょう。
ブラケットが外れてしまうと事後処理が難しいため、なるべく早く歯医者の指示を仰ぐことが重要です。
なお、歯医者に連絡する際は、以下の内容を伝えられるとよいでしょう。
上記のような情報があると、医師側で状況が把握しやすくなり、より適切な指示が可能です。
矯正中にブラケットが外れた場合には、すぐに歯医者に連絡して対応方法を確認すべきですが、ワイヤーが外れたときはワックスで応急処置ができます。
ただし、あくまでも応急処置であるため、歯医者への連絡は必ずしましょう。
歯並びは顔の印象を大きく左右するため、歯列矯正によって口元を美しくしたいと考える方は多くいます。
また、矯正には歯並びを整えることで日頃のケアが行き届きやすい口内環境をつくり、虫歯や歯周病のリスクを軽減する役割もあります。
しかし、歯列矯正にもワイヤー矯正や裏側矯正をはじめ、さまざまな種類があるうえ、それぞれメリットやデメリット、かかる費用などが異なります。
そのため、歯の状態や予算に応じて、自分に合った矯正方法を選ぶことが大切です。
当院では、小児から大人まで豊富な矯正治療の実績をもとに、一人ひとりの患者さんに合った治療方法を提案させていただいております。
歯列矯正に関して詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。