2024.05.07
歯並び・矯正
セラミック矯正は、矯正期間と費用を抑えつつ、歯並びをきれいにできる方法です。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正のような歯科矯正とは異なり、歯並び自体を変えるのではなく、歯並びが崩れている箇所を被せ物で補修することから「補綴矯正」とも呼ばれています。
この記事では、セラミック矯正について、歯科矯正との違いやメリット、デメリットを解説します。
Contents
セラミック矯正とは、もとからある歯を削り、セラミック製の被せ物をして歯並びを整える矯正方法です。
健康な歯を削ることにはなりますが、自然な歯に近い色で、きれいな歯並びを手に入れられます。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正などでは、矯正器具によって歯をすこしずつ動かして歯並びを整えるため、嚙み合わせを改善する効果があります。
一方、セラミック矯正の場合、歯に被せ物をしてきれいに見せることが目的であり、嚙み合わせの治療はできません。
ただし、短期間で色も歯並びもきれいにできる点がメリットです。
セラミック矯正と歯科矯正のどちらがおすすめかは、一概には言えません。
どのような歯並びを手に入れたいのか、どのような悩みが現状あるのかによって、どちらが適しているかは異なります。
そのため、まずは歯医者で相談してみることをおすすめします。
セラミック矯正には、以下のようなメリットがあります。
以下では、それぞれのメリットについて解説します。
治療期間が短いことは、セラミック矯正の大きなメリットです。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正では歯を動かして歯並びを整えるため、年単位の期間がかかってしまいます。
しかし、セラミック矯正は、歯を削って被せ物をするだけで終わるため、圧倒的に短い期間で治療ができます。
セラミック矯正では、矯正器具が気になる心配も不要です。
セラミック矯正は矯正器具を装着しないため、矯正器具による違和感を感じたり、口の中を傷つけたりすることはありません。
また、矯正器具が目立って見た目が気になることもないので、人前に立つ機会が多い方にはおすすめです。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正は、治療期間が長く、通院回数も多いため、費用がかかってしまいます。
しかし、セラミック矯正は通院回数を抑えられるため、矯正にかかる費用を抑えやすいです。
矯正治療は基本的に保険が適用されず、数十万円の費用がかかることから、費用を安く抑えられる点は大きなメリットです。
セラミック矯正では、歯を削ったあと、セラミックの被せ物をする前に仮歯を装着します。
矯正後の状態を仮歯で確認できるため、安心しながら治療を進められます。
矯正治療中は、本当に理想の歯並びになるのか不安に感じる人もいるため、矯正後の状態を確認できることは、メリットに感じられる人も多いでしょう。
セラミック矯正のメリットについて解説しましたが、以下のようなデメリットもあります。
失敗や後悔するリスクを減らすためにも、セラミック矯正を受ける前に、デメリットについて知っておきましょう。
セラミック矯正は、もともとある歯を削って被せ物をするため、健康な歯を削ることになります。
一度、削ってしまった歯はもとに戻せないため、健康な歯を削らなければならないことは大きなデメリットだといえます。
健康な歯を残しておきたい場合には、セラミック矯正以外の方法を検討しましょう。
セラミック矯正では歯に被せ物をするため、土台となる歯と被せ物の間に段差や隙間ができる可能性があります。
そして、段差や隙間に食べ物のカスや歯垢などの汚れがたまることで、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
そのため、セラミック矯正後は歯磨きやフロスなどのケアをより丁寧に行う必要があります。
セラミック矯正でも、場合によっては歯の神経をとるケースがあります。
たとえば、出っ歯のように大きく歯を削る必要がある場合には、歯の神経をとった方が治療しやすいためです。
ただし、健康な歯の神経をとってしまうと、歯ぐきがやせ細ってしまうデメリットもあります。
セラミック矯正は、歯を動かす治療ではないため、噛み合わせは治せません。
そのため、噛み合わせを治したい場合には、セラミック矯正の治療は向いていないといえます。
見た目をきれいにしたいという目的であれば、セラミック矯正は手軽な方法ではありますが、噛み合わせが目的であれば、ワイヤー矯正やマウスピース矯正を検討すべきです。
セラミック矯正は、以下のような流れで治療が進められます。
以下では、それぞれのステップについて解説します。
セラミック矯正の治療は、カウンセリングから始まります。
現状の悩みや希望する歯並びの状態などから、治療の方針や費用について歯科医と相談します。
次に、検査をして虫歯や歯周病がないかを確認したり、歯型をとったりします。
また、歯を大きく削らないといけないケースでは、ここで神経をとる治療も行います。
セラミックの色に合わせて周りの歯のホワイトニングを提案されることもあります。
検査が終わったら、次はセラミックの被せ物をつけるための土台作りです。
歯並びを治したい部分の歯の状態に合わせて土台を作ります。
ただし、土台を作ってからすぐにセラミックの被せ物をするわけではなく、セラミックの被せ物を作るための時間が必要です。
被せ物が完成するまでは、代わりに仮歯を装着して、違和感や歯並びに問題がないかを確認します。
数日間仮歯で過ごしても問題がなければ、いよいよセラミックを装着します。
セラミックの被せ物の作成期間は、大体1〜2週間です。
セラミックの被せ物を装着できたら、セラミック矯正は終了です。
前述のとおり、セラミック矯正では虫歯や歯周病のリスクが高まるため、定期的に歯医者で検診を受けるようにしましょう。
定期的に検診を受けることで、セラミックを長持ちさせることにもつながります。
セラミック矯正にかかる費用相場は、素材によって異なり、目安としては以下のとおりです。
セラミックにもさまざまな種類の素材があり、素材によってある程度費用の目安が決まります。
たとえば、合成樹脂であるレジンを練り込んだハイブリッドセラミックは比較的安く、オールセラミックは高くなりやすい傾向にあります。
予算に合った素材を選び、セラミック矯正を受けましょう。
最後に、セラミック矯正に関する質問への回答を紹介します。
出っ歯の方でもセラミック矯正ができる可能性はあります。
セラミック矯正ができないケースは、出っ歯のなかでも前歯の傾きが大きい場合です。
しかし、自身で治療できるかどうかを判断することは難しいため、一度歯医者で相談してみてください。
セラミック矯正後でも、ワイヤー矯正は可能です。
セラミック矯正後にワイヤー矯正をする場合には、セラミックの被せ物にブラケットを装着することになります。
ただし、セラミックに装着したブラケットは取れやすいため、仮歯を利用することもあります。
歯並びは顔の印象を大きく左右するため、歯列矯正によって口元を美しくしたいと考える方は多くいます。
また、矯正には歯並びを整えることで日頃のケアが行き届きやすい口内環境をつくり、虫歯や歯周病のリスクを軽減する役割もあります。
しかし、歯列矯正にもワイヤー矯正や裏側矯正をはじめ、さまざまな種類があるうえ、それぞれメリットやデメリット、かかる費用などが異なります。
そのため、歯の状態や予算に応じて、自分に合った矯正方法を選ぶことが大切です。
当院では、小児から大人まで豊富な矯正治療の実績をもとに、一人ひとりの患者さんに合った治療方法を提案させていただいております。
歯列矯正に関して詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。