2023.04.19
歯周病
歯ぐきの痛みや腫れなどの症状が出ている場合、歯周病が原因かもしれません。
歯周病は、放置すると歯がグラグラするなど、日常生活に支障が出る場合もあります。
この記事では、歯周病の症状やセルフチェックの方法について解説します。
Contents
歯周病とは、歯肉炎と歯周炎を合わせて呼ばれる病気です。
成人期における歯を失う原因の多くは、歯周病と虫歯によるものです。
また、歯周病と虫歯と合わせて歯科の2大疾患といわれています。
歯ぐきに違和感があると、歯周病ではないか不安になりますよね。
歯周病には、歯ぐきの見た目に表れる症状があります。
そのため、自分で歯ぐきの状態を見て、歯周病の可能性があるかを判断できます。
自分の歯ぐきに当てはまる症状が見られる場合は、歯医者を受診してみましょう。
以下では、見た目からわかる歯周病の症状について解説します。
歯周病になると、炎症によって歯ぐきが腫れる症状が見られます。
ただし、歯ぐきの腫れには、軽度のものから重度のものまであるため、症状の軽い初期段階では、腫れを見た目から判断しにくいです。
そのため、歯ぐきの腫れが確認できない場合でも、ほかの症状が表れている場合は歯周病の可能性があります。
歯周病が進行すると歯ぐきに痛みが生じます。
しかし、症状の軽い初期段階ではあまり痛みがないため、痛みを感じたら歯周病が進行している可能性があります。
また、歯周病のほかに、虫歯や親知らずでも歯ぐきに痛みが生じるため、歯ぐきの痛みが気になる場合は要注意です。
歯ぐきの色でも、歯周病かそうでないかの判断が可能です。
たとえば、健康な人の歯ぐきの色は、薄いピンク色をしています。
しかし、歯周病の人の歯ぐきの色は、赤黒い色や少々紫がかった色に変わります。
なぜなら、歯周病で歯ぐきに炎症が起こると、歯ぐきの中の血液循環が悪くなり、うっ血を引き起こすからです。
歯ぐきの色は、歯周病の症状が進行するほど、目視でもわかるレベルに変化していきます。
歯ぐきから膿が出ている場合、歯周病がかなり進行していることが考えられます。
歯周病が進行すると、歯ぐきに膿がたまり、たまった膿は、最終的に歯ぐきから出てきます。
歯周病以外の疾患であったとしても、放置すると危険な状態であるため、早急に歯医者を受診しましょう。
歯周病によって歯ぐきが炎症を起こした場合、歯ぐきから出血することがあります。
歯磨きの際に力を入れすぎて出血することもありますが、そのほかの場合で歯ぐきから出血があるときは、歯周病の可能性が高いです。
歯周病が進行すると、歯ぐきが下がり、通常よりも歯の根っこの部分が露出されます。
歯ぐきが下がり、歯が以前より長く見える場合や歯と歯の隙間が大きくなった場合は、歯周病がかなり進行していると考えられます。
次に、歯ぐきや見た目以外に表れる歯周病の症状について解説します。
もしも、歯周病が心配な場合は、自分に当てはまる症状がないか、セルフチェックを行いましょう。
歯周病が進行すると、以下のような症状が表れます。
歯周病は主に歯ぐきに炎症が出て腫れることで発覚する場合が多いですが、歯周病以外の原因で腫れることもあります。
腫れる原因としては以下の5つが考えられます。
虫歯・根尖病巣とは虫歯の進行により歯の根の先端に炎症が出ることを指します。
虫歯の進行が止まらないと歯髄まで到達する可能性があり、その際に歯ぐきに炎症が出る可能性があります。
虫歯ができた際には根尖病巣にならないためにも、早急に治療しましょう。
歯ぐきの腫れる場所が奥歯に近い場合、親知らずが原因であることが考えられます。
口の奥にあるため、親知らず付近の歯磨きは難しく、汚れもたまりやすい傾向があります。
汚れがたまってしまうと、炎症が起こる原因になるため、日頃から歯磨きを丁寧にするように心がけましょう。
汚れが原因の場合、歯ぐきの腫れが短期間で治る可能性もありますが、気になる場合は歯医者の受診を検討しましょう。
過去に根管治療の経験があると、口内環境が原因で治療した部位に細菌が再感染し、炎症を起こして歯ぐきが腫れる場合があります。
根管治療後の再感染が疑われる場合は、歯医者を受診しましょう。
歯根破折とは、歯の根の部分にヒビが入る、あるいは割れてしまうことを指します。
そして、歯にできたヒビから細菌が侵入し、炎症を起こして歯ぐきが腫れます。
歯根破折は、良くなることがなく、ほかの歯にも悪影響です。
歯根破折が疑われる場合は、早急に歯医者を受診しましょう。
歯磨きの際に、歯ブラシで歯ぐきを傷つけてしまい、歯ぐきが腫れることがあります。
特に歯ぐきに近い部分の歯磨きは歯ぐきにあたることも多く、傷つけやすいです。
やわらかめの歯ブラシを使用したり、力を入れすぎたりしないなどの工夫するようにしましょう。
そのほかにも、歯肉ガンと呼ばれる、歯ぐきのガンが原因で歯ぐきが腫れることもあるため、歯ぐきの腫れには気をつけましょう。
歯周病の治療は、歯周病の原因となる歯垢や歯石の除去のほかに、喫煙や糖尿病などの歯周病を悪化させている生活習慣についての指導も行われます。
また、歯周病を治すために行われる治療は、歯周基本治療と歯周外科治療の2種類です。
そして、治療後に症状の改善が見られれば定期健診に移ります。
以下では、歯周基本治療と歯周外科治療について解説します。
歯周基本治療では、歯周病の進行具合に関わらず、歯周病のもととなる歯垢や歯石の除去、歯のぐらつきによる噛み合わせの調整、歯周病に関わる生活の指導などを行います。
この治療は、患者さん自身が行う歯磨きなどのセルフケアと、歯医者で行う専門的な治療(プロフェッショナルケア)がセットです。
歯周病の症状が軽度であれば、歯周基本治療だけで治ることがあります。
歯周基本治療で症状が改善されない場合は、歯周外科治療に移行する必要があります。
この治療は、歯ぐきに炎症が起き歯と歯ぐきの溝(歯周ポケット)が広がりすぎた場合や歯ぐきの奥にたまった汚れが歯周基本治療では除去できない場合に行われます。
歯周病の予防には歯石などを溜めないように、歯磨きを丁寧に行うことも大事ですが、歯ぐきのメンテナンスも重要です。
歯ぐきのメンテナンスには、歯ぐきをマッサージする方法もあり、やり方も比較的簡単なので試しやすいです。
マッサージのやり方としては、以下の手順の通りです。
上段も下段同様にマッサージをしましょう。
歯周病の疑いがある場合、不安があると思います。
そこで、歯周病についてさまざまな情報を知るために、歯周病に関してよくある質問をまとめました。
以下では、歯周病に関してよくある質問について解説します。
治療方法によっては戻る可能性もあります。
たとえば、元ある歯ぐきを利用して移植する治療などがあります。
ただし、必ずしも治療が可能というわけではありません。
治療が気になる場合は、歯医者にて相談しましょう。
歯周病は歯磨きだけでは治りません。
ただし、歯磨きには、歯ぐきの炎症の減少や歯周病予防の効果があります。
歯周病治療は、歯磨きとそのほかの治療を合わせて行うことで歯周病を治します。
自宅で歯周病を治す方法はありません。
歯磨きによって、症状の進行を遅らせるなどの効果は見込めますが、完全に治すことはできません。
歯周病を治すためには、歯医者での治療が必要です。
歯周病になりやすい人の特徴としては以下の6つが考えられます。
女性の場合は、女性ホルモンとの関係があるなど、簡単に解決できない特徴もあります。
一方、歯磨きやタバコなどは、比較的解決しやすい原因です。
歯周病予防のために、解決できる原因から対処しましょう。
歯周病は、日本人のほとんどがかかっており、誰にでもリスクがある疾患の一つです。
しかし、初期の段階ではわかりやすい自覚症状が現れず、発見が遅れてしまう方が多いのも事実です。
そのため、虫歯と同様、定期的に歯医者で検診を受けることをおすすめします。
歯周病に関する不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。