2024.01.10
歯並び・矯正
歯ぎしりや食いしばりに悩まされている方は意外と多く、なかには無意識のうちに歯ぎしりをしていて、歯や顎の痛み、頭痛などの症状を引き起こしているケースもあります。
歯ぎしりをしてしまう癖は、自分の意識だけで直すことは難しいため、体の不調の原因とならないよう、歯医者で治療をすることが大切です。
本記事では、歯ぎしりの治療方法だけではなく、そもそも歯ぎしりとはどのような症状なのか、治療する際の料金相場や保険適用されるのかについて詳しく解説します。
Contents
歯ぎしりや食いしばりを経験している人は、実は全体の約7割にものぼると言われています。
しかし、歯ぎしりや食いしばりは無意識のうちにしていることが多く、本人が歯ぎしりや食いしばりに気づいていないケースも少なくありません。
昼間の緊張感や夜間の睡眠中には、とくに現れやすく、いつのまにか歯や顎に負担がかかっていることもあります。
歯ぎしりを放置すると、歯や顎のほか、全身にさまざまな悪影響をもたらすため、早期の対処が重要です。
歯ぎしりは、症状によって主に以下の4つの種類に分けられます。
それぞれ特徴が異なり、治療や対策も異なることがあります。
次に、4種類の歯ぎしりをそれぞれ詳しく解説します。
グラインディングは、上下の歯をこすり合わせるタイプの歯ぎしりです。
主に夜間に起こりやすく、歯の表面が摩耗してしまうため、歯が削れたり、詰め物が取れることがあります。
また、長期的に続くと顎にも負担がかかり、痛みを引き起こす原因にもなります。
タッピングは、上下の歯を軽くカチカチと合わせるような動きの歯ぎしりです。
ほかの歯ぎしりと比べて歯に対する直接的な負担は少ないものの、長期間放置すると顎や筋肉に影響が出ることがあります。
このタイプは昼間の緊張時や集中している時に起こりやすい傾向があります。
クレンチングは、上下の歯を強く噛み締めることで、歯や顎に強い圧力がかかる状態で、食いしばりや噛みしめとも呼ばれます。
主に昼間に起こりやすく、ストレスや焦りを感じている際に無意識におこなわれることが多いです。
また、日常的に力仕事やスポーツなどをしている方にもよくみられます。
歯がすり減る原因にはなりにくいですが、顎の筋肉や関節に負担がかかり、痛みや疲労感を引き起こすことがあります。
ナッシングは、特定の歯のみをこすり合わせる歯ぎしりです。
特定の歯のみをこすり合わせるため、歯の一部だけがすり減ってしまいます。
このタイプの歯ぎしりも無意識におこなわれることが多く、早期の発見が大切です。
歯ぎしりを長期間放置すると、口内や全身にさまざまな悪影響を及ぼします。
とくに、以下のような症状が現れやすいです。
これらの症状に注意し、早めに対策をとることが必要です。
それでは、歯ぎしりによる症状・悪影響をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
歯ぎしりによって歯の表面が削れ、エナメル質が薄くなり象牙質が露出することで、冷たいものや甘いものがしみやすくなります。
歯ぎしりのなかでも、グラインディングをしている方は歯がしみる症状が現れやすいです。
歯の摩耗が進むと、知覚過敏がひどくなり、日常生活に支障をきたすこともあります。
虫歯治療で詰め物をしている場合、歯ぎしりの力が詰め物に負担をかけ、取れたり割れたりすることがあります。
とくにクレンチングやグラインディングが続くと、詰め物に関するトラブルが頻繁に起こることがあります。
詰め物が取れると虫歯になりやすいため、注意が必要です。
歯ぎしりが続くと、歯を支える歯槽骨に負担がかかり、歯周組織のダメージが進むことがあります。
これにより、骨が溶けて歯周病が悪化しやすく、最悪の場合、歯を失う原因にもなりかねません。
とくに高齢者や、歯周病のリスクが高い方は注意が必要です。
歯ぎしりによって顎の関節や筋肉に大きな負担がかかり、顎関節症や筋肉痛を引き起こすことがあります。
とくに、クレンチングによる強い圧力は顎に深刻なダメージを与えることがあり、痛みが慢性的に続く場合もあります。
顎の関節や筋肉に痛みが生じる場合には、無意識に歯ぎしりをしていることを疑ってもよいでしょう。
歯ぎしりが原因で、顎の筋肉に過度な緊張が生じ、頭痛を引き起こすことがあります。
朝起きた時に頭痛を感じる場合、夜間の歯ぎしりが原因となっている可能性が高いです。
歯ぎしりによる頭痛は放置すると慢性化し、日常的な頭痛に悩まされやすくなります。
歯ぎしりの原因には、以下のようなものが考えられます。
現代社会では、仕事や人間関係でストレスを感じている人が多く、無意識のうちに歯ぎしりをしているケースも少なくありません。
また、遺伝的な要因や、睡眠時の呼吸障害なども歯ぎしりの原因として考えられています。
歯ぎしりを放置すると、歯や顎、全身に悪影響を及ぼすため、早めの治療が推奨されます。
歯ぎしりの治療には、以下のようにさまざまな方法があります。
症状や原因に応じて適切な治療方法を選び、日常生活での負担を減らすことが重要です。
続いて、歯ぎしりの治療方法をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
もっとも一般的な歯ぎしりの治療は、マウスピースを用いた方法です。
マウスピースを夜間に装着することで、歯と歯が直接触れるのを防ぎ、歯の摩耗や詰め物の破損を防ぎます。
マウスピースは個人の口腔形状に合わせて作成されるため、フィット感が高く、効果的な治療を期待できます。
しかし、マウスピースを使用したとしても歯ぎしりがなくなるわけではないため、歯ぎしりの習慣をなくしたい場合には、別の治療の方がよいでしょう。
ボトックスとは、ボツリヌストキシンと呼ばれる、ボツリヌス菌が産生する複合毒素から毒素を取り除いて抽出されたタンパク質のことです。
ボトックスを顎に注射することで、歯ぎしりを引き起こす咀嚼筋の動きを抑えます。
治療による効果が続くのは数ヶ月であり、定期的に治療を受ける必要がありますが、筋肉の負担を減らすことで、顎や歯へのダメージを軽減できます。
ボトックス注射は、歯ぎしりの治療以外にも、小顔やしわの改善などの目的で美容整形でも用いられる治療方法です。
歯の噛み合わせが原因で歯ぎしりが発生している場合は、噛み合わせを調整する治療がおこなわれます。
歯の形状や位置を整え、正しい噛み合わせを作ることで、歯ぎしりの症状が改善することがあります。
グラインドケアは、睡眠中に特殊な装置をつける治療方法です。
睡眠時に装置をこめかみに装着すると、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりの回数を計測し、歯ぎしりを検知したときに微弱な電流を流して歯ぎしりを抑えます。
歯ぎしりの習慣がある方は、顎の筋肉や咀嚼筋が緊張していることが多いです。
そこで、咀嚼筋をマッサージし、咀嚼筋をほぐす治療が効果的なケースもあります。
自宅で簡単にできるマッサージや、専門家による施術を受けることで、筋肉の負担を軽減し、歯ぎしりを抑えられます。
また、咀嚼筋の緊張による頭痛や肩こりの軽減効果も期待できるでしょう。
歯ぎしり治療の費用は、症状や治療方法によって異なります。
マウスピース治療の場合、一般的には3,000〜7,000円程度が相場です。
一方で、ボトックス注射は1回の施術で20,000〜50,000円程度かかることがあります。
また、歯ぎしり治療の相談に料金がかかり、治療をおこなう場合のみ、相談料が無料になるような歯医者もあります。
治療を選ぶ際には、料金や効果、治療期間などを考慮して判断することが重要です。
歯ぎしりの治療に関してより理解を深めるために、以下のよくある質問をまとめました。
それでは、歯ぎしり治療に関するよくある質問をそれぞれ詳しく解説します。
歯ぎしり治療は、歯医者で受けられます。
歯ぎしりで悩んでいる場合には、一度歯医者に相談してみましょう。
ただし、歯ぎしりの治療にそこまで精通していない歯医者もいるため、まずはかかりつけ医で歯ぎしりの治療が受けられるか相談してみましょう。
歯ぎしり治療は、治療内容によって保険適用の有無が異なります。
たとえば、マウスピースは医療保険が適用されることが多く、保険を利用することで自己負担額を抑えられます。
しかし、ボトックス治療や噛み合わせの矯正など、審美目的の治療は保険適用外となる場合が多いです。
そのため、保険適用ができるかどうかは、治療前に確認しておくことが重要です。
歯並びは顔の印象を大きく左右するため、歯列矯正によって口元を美しくしたいと考える方は多くいます。
また、矯正には歯並びを整えることで日頃のケアが行き届きやすい口内環境をつくり、虫歯や歯周病のリスクを軽減する役割もあります。
しかし、歯列矯正にもワイヤー矯正や裏側矯正をはじめ、さまざまな種類があるうえ、それぞれメリットやデメリット、かかる費用などが異なります。
そのため、歯の状態や予算に応じて、自分に合った矯正方法を選ぶことが大切です。
当院では、小児から大人まで豊富な矯正治療の実績をもとに、一人ひとりの患者さんに合った治療方法を提案させていただいております。
歯列矯正に関して詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。