2023.04.24
虫歯
歯医者での治療時には麻酔を使うことがありますが、注射の痛みが怖い方、麻酔の感覚が苦手な方などもいるのではないでしょうか。
麻酔にはさまざまな種類があり、注射をせずに塗布する麻酔法、恐怖心への作用に特化した麻酔法などもあります。
この記事では、歯医者で行われる麻酔の方法や種類、注意点を解説します。
Contents
歯医者では、虫歯や歯周病などの治療の際に麻酔を使う場合があります。
歯科治療で麻酔をする理由としては、主に以下の2つです。
まず、最大の目的は痛みへの対策ですが、痛みによる恐怖心をやわらげる目的もあります。
いずれも治療による患者さんへの負担を軽減するためのものです。
歯医者で行われる麻酔には、大きくわけて以下の3つの方法があります。
それでは、歯医者で行われる麻酔の方法をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
局所麻酔法は、歯科治療でもっとも一般的に用いられる麻酔法で、治療部位のみに麻酔を作用させる方法です。
また、局所麻酔法には、さらに以下の3種類があります。
次に、局所麻酔法の3種類の方法を解説します。
表面麻酔法とは、歯ぐきの表面にのみ麻酔薬を塗布する方法です。
表面麻酔法では、以下のような手順で麻酔が行われます。
表面麻酔法は、歯そのものに麻酔がかかるわけではないため、治療によっては麻酔の効果が足りないケースもあります。
しかし、注射を打つ際に生じる痛みを感じずに、麻酔を作用させられます。
浸潤麻酔法は、注射によって歯ぐきに麻酔薬を注入する方法です。
注射の痛みはありますが、安定した麻酔の効果を得られるため、治療時の痛みを軽減したいときに用いられます。
また、虫歯治療の際の注射に嫌悪感を抱く方は多いですが、近年では注射針の改良や麻酔薬の温度管理により、以前よりも痛みの少ない注射ができるようになっています。
伝達麻酔法は、太い神経の幹に注射をし、唇や舌を含めた広範囲に麻酔を作用させる方法です。
下顎の奥歯は麻酔が効きづらいため、親知らずの治療の際には、伝達麻酔法が用いられることが多いです。
精神鎮静法は、不安や恐怖心をやわらげてリラックスさせる麻酔法です。
たとえば、歯の痛みではなく、歯を削るドリルや薬品のにおいに恐怖を感じる方もいますが、そのような場合には精神鎮静法が効果的です。
また、精神鎮静法には、以下の2種類の方法があります。
それでは、精神鎮静法の2種類の方法をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
吸入鎮静法は、笑気と呼ばれる鎮静薬をガスで吸入する方法です。
笑気ガスを吸入すると、不安感や恐怖心を軽減し、リラックスした状態になります。
また、笑気は鎮痛効果も期待できるため、局所麻酔で注射を打つ前に吸入鎮静法を用いて注射の痛みを感じにくくする方法もあります。
静脈内鎮静法は、鎮静薬を静脈に注射する方法です。
吸入鎮静法よりも強い鎮静効果を得られますが、安全に行うには技術や設備が必要です。
静脈内鎮静法は、主に親知らずの抜歯やインプラント手術などで用いられます。
全身麻酔法は、意識を消失させて痛みを感じないようにする麻酔法です。
歯科治療では、極度の歯科恐怖症や治療を嫌がる小児など、治療が困難な場合にのみ用いられます。
全身麻酔はもっとも強い麻酔効果を得られますが、全身に作用することからリスクも伴います。
そのため、治療計画を立てたうえで、細心の注意を払って麻酔を行うことが必要です。
歯医者で使われる麻酔には、主に以下の2種類があります。
続いて、それぞれの麻酔の種類について詳しく解説します。
局所麻酔薬は、歯医者でもっとも一般的に使用される麻酔薬です。
神経に直接作用し、特定の部位の感覚を麻痺させて、痛みを感じないようにします。
血管収縮薬は、局所麻酔薬に配合される薬剤です。
血管を収縮させることで、麻酔薬の血流を抑制し、麻酔効果を強めて持続時間を延ばす効果があります。
歯医者の麻酔が痛い理由には、以下の3つが考えられます。
続いて、それぞれの理由について詳しく解説します。
歯医者の麻酔を注射で注入する場合には、注射針が刺さる際に痛みが生じます。
注射針が刺さる瞬間の痛みは、誰にとっても不快なものです。
とくに、歯ぐきや粘膜には多くの神経が存在するため、痛みを感じやすい部位です。
麻酔液を注入する際には、一定の圧力がかかります。
この圧力によって、組織が圧迫され、痛みを感じることがあります。
とくに、麻酔を行う部位が炎症を起こしている場合や、骨が近い部位の場合は、痛みを感じやすい傾向があります。
痛みの感じ方には個人差があるため、同じように麻酔を打っても、人によって感じる痛みの強さは異なります。
また、精神的な緊張や不安によって、痛みの感じ方が強くなることもあります。
歯医者で麻酔を受ける際には、以下の点に注意すると、より安全かつ快適に治療を受けられます。
続いて、それぞれの注意点について詳しく解説します。
緊張していると、痛みを感じやすくなったり、麻酔が効きにくくなったりします。
できるだけリラックスして、深呼吸をしたり、音楽を聴いたりして、気持ちを落ち着かせましょう。
麻酔が効いている間は、基本的に飲食をしない方がよいです。
麻酔が切れるまでに約2~3時間かかることもあるため、治療前に食事をとっておくのがおすすめです。
持病や体調によっては、麻酔の種類や量を変えたり、治療を延期させたりするケースもあります。
そのため、体調や持病などの不安がある方は、かならず麻酔前に歯医者に伝えるようにしましょう。
歯医者の麻酔は、外科手術などの麻酔と比較すると、それほど強いものではありませんが、一定のリスクや副作用はあります。
過去に麻酔をしたあとに体調不良になったり、薬を飲んで気分が悪くなったりした経験がある方は、事前に歯医者に相談しておきましょう。
最後に、歯医者の麻酔に関するよくある質問と回答について解説します。
麻酔の効果が続くのは、歯ぐきに注射する浸潤麻酔法で約2~3時間、奥歯のさらに奥に注射する伝達麻酔法で約4~6時間ほどです。
ただし、使用した麻酔薬の量、体質や体調などによって、麻酔の効果の持続時間は異なります。
歯医者で麻酔を受けたあとは、麻酔が切れてから食事や飲み物をとるようにしましょう。
麻酔が効いていると、口の中の感覚が鈍くなり、舌や頬の内側を噛んでしまいやすくなります。
また、熱いものや冷たいものに対する感覚も鈍くなります。
上記のように、麻酔が効いている間の飲食にはさまざまなリスクがあるため、注意が必要です。
麻酔をした後には、不安や恐怖心から動悸がする場合があります。
不安や恐怖心による動悸の場合は、ストレスを軽減することで、動悸が収まる可能性があります。
基本的には、授乳期間中の麻酔に問題はないとされています。
しかし、麻酔を受けてから授乳までには十分な時間をあけるようにしてください。
目安として、少なくとも5〜6時間ほどはあけた方が安心です。
また、治療の際には歯医者で授乳中であることを相談してみてください。
虫歯かもしれないと思いつつ、なかなか歯医者に行けていない方も多いのではないでしょうか。
自覚症状が表れる前に早期発見するのがベストではありますが、歯科を受診する方の多くは痛みが表れていることがほとんどです。
そのため、虫歯に痛みがあっても手遅れということはまったくありません。
痛みが出て間もない時期であれば、それほど進行しておらず、すぐに治療を済ませられるケースがほとんどです。
一方、痛みを放置しておくとどんどん進行してしまい、最悪の場合は抜歯することになってしまいます。
虫歯の治療は、とにかく早い段階で歯科を受診することが大切です。
まずはお気軽にお問い合わせください。