2023.12.20
歯並び・矯正
矯正治療に痛いイメージをもっている方は多いのではないでしょうか。
当院の患者さんのなかにも「歯の矯正をしたいけれど、痛みが心配」という方は多くいます。
この記事では、矯正治療の痛みについて、痛みの原因や期間、痛むときの対処法を解説します。
Contents
歯の矯正治療は、器具によって歯をすこしずつ動かすことで歯並びを整える治療です。
歯は歯槽骨という骨で支えられていますが、矯正治療では専用器具を用いて、歯を動かしたい方向に力を加えてスペースをつくって歯を移動させます。
なお、スペースがつくられるときには、プロスタグランジンE2という物質が発生して歯に痛みが生じます。
矯正治療中、痛みに悩まされる方は多くいますが、矯正中の痛みにはいくつかの原因が考えられます。
続いて、矯正治療中に痛みが生じるケースについて解説します。
矯正治療中の痛みの多くが、歯が動くことによる痛みです。
とくに、歯が動き始めるタイミングは痛みが強い傾向にありますが、時間経過とともに痛みが緩和されます。
しかし、矯正治療中に痛みを強く感じた場合は、我慢せずに歯医者を受診しましょう。
食べものを噛むときは歯に負荷がかかるため、痛みが生じることがあります。
矯正治療を開始して間もないうちは違和感があることも多く、慣れるまでは食事をしづらい場合もあります。
ワイヤー矯正の場合、矯正器具をつけるときに、器具が頬の内側や舌にあたることで痛みが生じることがあります。
また、矯正治療中に歯が動くことによって、歯の後ろ側から突出したワイヤーが口の中の粘膜を傷つけ、口内炎になってしまう方もいます。
なお、マウスピース矯正の場合には、ヘリが歯ぐきに触れることによって痛みが生じる可能性があります。
矯正器具をつけていると、どうしても歯磨きのやりづらさから口腔内が不衛生になりがちです。
また、矯正中に痛みが生じている部位の近くは、歯ブラシによる刺激を避けたくなるため、細かい部分までケアが行き届きにくくなってしまうケースもあります。
そのため、歯に付着した汚れが原因となって、虫歯や歯周病を引き起こして痛みが生じることもあります。
もし、矯正治療中に虫歯のような痛みを感じた場合は、早急に歯医者を受診しましょう。
矯正治療中の痛みにはさまざまな原因がありますが、痛みが出やすいタイミングにはある程度傾向があります。
続いて、矯正治療中の痛みが発生しやすいタイミングについて解説します。
矯正治療中、もっとも痛みが強くなりやすいのは矯正器具をつけた直後です。
一時的に強い痛みを感じるかもしれませんが、その後は徐々に痛みが緩和していくため、まずは心配せずに様子をみてみましょう。
ただし、あまりに痛みが強くて我慢できない方は、痛み止めの処方などを相談することをおすすめします。
なお、矯正器具は1か月に1度の交換が必要となるため、交換のたびに痛みを感じる方もいます。
矯正器具によって異なりますが、矯正器具をはじめてつけたときは1週間程度、2回目以降は2〜3日程度で痛みが収まります。
そのため、数日から1週間を目安として、ある程度時間が経っても痛みが収まらない場合は、歯医者に相談してみるとよいでしょう。
ただし、上記の目安は歯が動くことによる痛みが続く期間です。
痛みが落ち着いたとしても、食事や歯磨きのときに負荷や刺激を与えてしまうと、痛みが生じる可能性があるため、注意しましょう。
矯正治療中の痛みに耐えられないときは、歯医者に相談するのが一番ですが、なかなか通院ができない方もいるはずです。
そこで自宅でもできる対処法について紹介します。
ワイヤー矯正での治療中、矯正器具が頬の内側や舌にあたって痛みが生じている場合は、矯正用ワックスを使いましょう。
矯正用ワックスを塗布することで、矯正器具があたっている箇所を保護できるため、痛みを和らげられます。
ただし、矯正用ワックスは食事や歯磨きで簡単に取れてしまうため、こまめにワックスの塗り直しが必要です。
矯正用ワックスをもっていない方は、歯医者に行った際に相談してみてください。
矯正治療中の痛みに限らず、患部を冷やすことによって痛みを軽減できます。
血流がよくなると痛みが強くなるため、タオルでくるんだ保冷剤などで軽く冷やしてあげると、痛みの程度をすこし抑えられます。
ただし、あまり冷やしすぎると矯正力が落ちてしまうリスクもあるため、ずっと冷やし続けるのは避けましょう。
どうしても痛みに耐えられない場合は、痛み止めを服用する方法もあります。
しかし、市販の痛み止めをひんぱんに服用すると、歯の周辺組織の炎症を抑えるために、矯正中の歯の動きが鈍くなる可能性があります。
そのため、痛み止めを使用する頻度や量については、歯医者に相談してみてください。
前述のとおり、矯正治療は食べものに気を配る必要があります。
最後に、矯正治療中の食べものについて解説します。
矯正治療中は、やわらかいものや歯や矯正器具に挟まりづらいものを食べるようにしましょう。
具体的には、以下のような食べものがおすすめです。
また、歯に挟まりやすい食べものの場合は、一口サイズに切って食べることも重要です。
矯正治療中は、硬いものや粘り気のあるもの、歯や矯正器具に挟まりやすいものには注意が必要です。
具体的には、以下のような食べものに気をつけましょう。
なお、りんごはすりおろして食べやすくしておけば、矯正中に食べても問題ありません。
このように、ひと手間を加えることで食べれるものもあります。
歯並びは顔の印象を大きく左右するため、歯列矯正によって口元を美しくしたいと考える方は多くいます。
また、矯正には歯並びを整えることで日頃のケアが行き届きやすい口内環境をつくり、虫歯や歯周病のリスクを軽減する役割もあります。
しかし、歯列矯正にもワイヤー矯正や裏側矯正をはじめ、さまざまな種類があるうえ、それぞれメリットやデメリット、かかる費用などが異なります。
そのため、歯の状態や予算に応じて、自分に合った矯正方法を選ぶことが大切です。
当院では、小児から大人まで豊富な矯正治療の実績をもとに、一人ひとりの患者さんに合った治療方法を提案させていただいております。
歯列矯正に関して詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。