2023.04.24
虫歯
虫歯の治療期間が長いと感じたことがある人は多いのではないでしょうか。
実は、虫歯は進行状況や本数によって変わったり、さまざまなルールのもとで治療を行う必要があったりと、治療期間が長くなってしまう理由があるのです。
この記事では、治療期間が長くなる理由や、虫歯の進行状況による治療内容や期間、治療費の違いについて解説します。
Contents
虫歯の治療を受けていると、1日で終わらないことに疑問を感じたことがある人も多いと思います。
しかし、さまざまな理由から、虫歯の治療には複数回の通院が必要なのです。
ここでは、虫歯の治療に何回も通院が必要な理由を解説します。
歯医者は他の医科と違い、投薬だけで治せる症状がほとんどありません。
歯科治療では、歯を削る、詰め物、被せ物、歯型をとる、外科的な処置など、手間のかかる作業が多いです。
それぞれの治療は、段階を踏まないと次へ進めません。
たとえ治療する虫歯が1本だけだとしても、治療段階が多く時間がかかります。
複数の歯を同時に治療した方が、効率がよいように感じる方もいると思います。
しかし、歯の治療は、基本的に1本ずつ行います。
なぜなら、歯の治療は、口全体の嚙み合わせのバランスを考えながら行うからです。
人にとって嚙み合わせはとても重要で、複数の歯を同時に治療すると、嚙み合わせへの影響が大きくなり、食いしばりや歯ぎしり、頭痛、顎関節症などの原因になります。
そのため、時間はかかりますが、1本ずつの治療が望ましいです。
保険を使って診療する場合、歯医者は細かいルールや制限を忠実に守る必要があります。
たとえば、歯石取りだけでも以下のような手順で治療を進める保険上のルールがあります。
このように、治療の進め方まで決められているため、1回の通院でできる治療には限界があり、通院回数が増えてしまうのです。
虫歯は、進行状況によって治療内容が変わります。
初期段階の虫歯ならば1回の処置で終わる場合もありますが、進行がひどければ必要な処置が増えます。
そのため、1回の処置では治療が終わらず、複数回の通院が必要です。
虫歯の治療にかかる期間は、虫歯の進行状況による部分が大きいです。
以下では、虫歯の進行状況ごとに、平均的な治療期間について解説します。
初期の虫歯は、歯の表面が酸によって溶かされツヤがなくなった状態で、虫歯が進行すると歯の色が白く濁ったり茶色くなったりします。
初期虫歯では、歯に穴は空いておらず、痛みも感じません。
そのため、歯を削るなどの治療は行われず、定期健診やセルフケアで対処します。
エナメル質の虫歯は、歯の表面にあるエナメル質が虫歯菌によって溶かされて穴が開いた状態ですが、痛みは感じません。
この状態の虫歯の治療は、歯を削り、コンポジットレジンと呼ばれる白いプラスチックで詰め物をします。
この治療は、削る歯の量がすくないため、1日で治療が終わります。
虫歯がエナメル質から、さらに歯の内部の象牙質まで進行すると、甘いものや冷たいものを口にしたときに痛みを感じることや、虫歯によってできた穴に食べ物が詰まりやすくなります。
この状態の虫歯の治療では、コンポジットレジンを使用するか、虫歯の症状や位置によっては被せ物する処置が行われます。
コンポジットレジンを使用する場合は、1回の治療で終わる場合もあります。
しかし、被せ物をする場合は、歯を削り、被せ物の型取りをして、被せ物を制作、完成した被せ物をセットするため、最低でも2回の通院が必要で、1週間ほどの期間が必要です。
虫歯が神経まで進行していると、歯に大きな穴が空き、激しい痛みや口臭が強くなる症状が表れます。
炎症がひどい場合は、歯の神経を抜く根管治療を行わなければなりません。
根管治療では、神経の治療に3〜5回、被せ物に2〜3回の通院が必要で、約1ヶ月の期間がかかります。
虫歯が歯根まで進行していると、歯の見える部分がほとんど無くなっているような状態です。
この状態では、痛みや口臭を感じられる場合もありますが、歯の神経が死んでいると痛みが無くなります。
この状態の虫歯の治療では、歯の残った部分があり、残せそうな場合は根幹治療が行われますが、残すことが難しい場合は抜歯します。
抜歯した場合は、抜いた歯の機能を補うために、ブリッジ、インプラント、入れ歯が用いられます。
ブリッジやインプラントであれば、約1ヶ月で治療を進められますが、インプラントの場合は、半年以上の期間が必要です。
虫歯の治療にかかる費用は、虫歯の進行状況によって変わり、保険治療の範囲内であれば3割負担で治療を受けられます。
虫歯の進行状況別の治療費は以下のようになっています。
また、インプラント以外は保険を適用した際の費用です。
虫歯の治療期間を短くしたい場合は、以下の2つを意識しましょう。
歯医者で定期的に検診を受けることで、虫歯の早期発見につながります。
また、定期検診で、口腔内のクリーニングを行うことで、虫歯の発生率を下げることもできます。
重症になる前に、歯医者で定期検診を受けるようにしましょう。
虫歯は、進行状況が浅ければ浅いほど治療期間が短くなり、初期虫歯であれば1回の通院で治療が終わります。
そのため、すこしでも見た目の変化や歯の違和感などを感じた場合は、早めに歯医者を受診しましょう。
虫歯かもしれないと思いつつ、なかなか歯医者に行けていない方も多いのではないでしょうか。
自覚症状が表れる前に早期発見するのがベストではありますが、歯科を受診する方の多くは痛みが表れていることがほとんどです。
そのため、虫歯に痛みがあっても手遅れということはまったくありません。
痛みが出て間もない時期であれば、それほど進行しておらず、すぐに治療を済ませられるケースがほとんどです。
一方、痛みを放置しておくとどんどん進行してしまい、最悪の場合は抜歯することになってしまいます。
虫歯の治療は、とにかく早い段階で歯科を受診することが大切です。
まずはお気軽にお問い合わせください。